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□無自覚、自覚
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「本当によろしいのですか?」
「・・あぁ、かまわねぇ」
深夜の沢田家の玄関前で何やらヒソヒソと話をする六道骸とリボーンに幾分眉を顰めてビアンキは
(ツナ・・可哀そうに・・)
と二階のベッドの中で就寝中の綱吉に同情した。
月のない闇夜の中、話も終わり霧のように骸が消えるとビアンキはピョンと腕の中に飛び込んできたリボーンを抱えなおし
「悪い人」
と呟き、そのこめかみにキスを落とした。
「・・俺がツナの為にならないことをすると思うか?」
と片眉をクイッと上げて家に入ろうとビアンキを促した。
昼ご飯が済み時間割も最後になれば後は放課後に何して遊ぶかで頭がいっぱいになる。
(今日は真っ直ぐに家に帰っておやつ食べたら獄寺君誘ってゲーセンに行こうかな?山本も誘いたいけど部活だよね?)
と授業そっちのけで遊びの算段を立てていると終了のチャイムが鳴り響いた。
「十代目、帰りましょう」
ニカっといつもの人懐こい笑顔に同じように笑い返し綱吉はカバンに帰り支度を始めた。
「俺も一緒に帰るぜ〜」
とさっさと支度を終えた山本が綱吉の横に立った。
部活は休みなのだと言うので、んじゃ3人で帰りますかと話をつけると何やら学校全体が騒がしくなっていた。
・・・正門にすごいイケメンがいるよ・・
・・・黒曜の生徒みたいだけど・・
三人の間に無言の緊張感が走りバッと一斉に正門に目をやれば
「六道骸・・」
獄寺が呟くと同時に綱吉は席を立ち早く行こうと二人に声をかけて走り出した。