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□わたがし
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甘くてふわふわ
口にすると、すぐに溶けてしまう
君は・・・
夏祭りの会場でみかじめ料の徴収に付き合わされたオレの目に入ってきたのは大好きなわたがし。
(うわぁ・・モコモコで美味しそう・・)
作っているおじいさんの年季の深さを感じさせる手つきで割り箸にクルクルと巻きつけられていく わたがし。
ふんわりとして、いかにも わたがし といったそれを薄いピンクの袋に入れてフタクチを軽く輪ゴムで止めれば出来上がり。
小さい頃から大好きなそれにオレは目を奪われたままジッと見つめているとヒバリさんはその屋台のおじいさんに近づく。
「いらっしゃい!」
「一つくれる?」
「はいよ、どれでも好きなものを選んでね」
テンポよく愛想しながらも、わたがしを作る手を止めず指差された袋をヒバリさんに渡すとヒバリさんはお金を払い受け取る。
(ヒバリさんもわたがし好きなのかな?)
オレも買ってもいいかな?と渡されていたリストを胸で抱えて悩んでいると目の前にヒバリさんが先ほど買ったわたがしの袋が。
「?・・あの?」
「・・欲しかったんでしょ?」
ぶっきらぼうに顔を反らしながら早く受け取れと押し付けるように袋を渡された。
「あ、ありがとうございます!」
嬉しくてペコリと頭を下げて、早速食べてもいいか聞くと好きにしたらと一言。
リストを小脇に挟み、いそいそと袋を開ければ、ふわりと香る甘い匂い。
小さくちぎり、口にすれば溶けて甘さのみ舌に残る。
「おいしい・・」
もう一口と今度はかぶりつけば、口を離したところが飴色に溶け残る。
べたついた口の周りをお行儀悪く舌で舐め取れば、ヒバリさんが慌ててオレの手を引き物陰に隠れた。
(どうしたんだろう?)
何か群れでも発見したのかな?でもそれなら隠れるわけもないし・・などと考えているとヒバリさんはいきなり抱きしめ噛み付くようにキスをしてきた。
「・・ふゎ・・ん・・」
しばらく口内を探るように舐め取るようにヒバリさんの舌がオレと絡みあい息もできないくらい。
ようやく離されたころには腰に力が入らず雲雀さんに寄りかかるようにもたれてしまった。
「・・君が悪い」
あんなところで僕の理性が吹っ飛ぶようなことするから等と言いながらオレの顔中に舐めるようにキスするヒバリさんにオレは訳も分からずにされるがままだった。
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