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□家出少年
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雲雀の携帯がけたたましい音を立てた。

(きたね)

相手が出る前からわかっているのでハンズフリーにて着信すると

『てめぇ!ツナさらいやがったな!!』

怒り心頭のリボーンの声が決して狭いはずのない部屋の壁が振動するほどに響き渡った。

『返しやがれ、アイツは仕事が山積みなんだぞ!』

ぎゃあぎゃあと喚く声に顔を顰めつつ

「さらってない」
『んあぁぁ?』
「だから、さらってないよ」
『・・マジか?』
「うん」
『・・っち、アイツどこに消えやがった・・』

それから悪かったなと言って切れた携帯に雲雀は目を細めつつパタパタと近づく軽い足音に笑みを浮かべる。

「ヒバリさん、お待たせしました」
「うん、上手に出来たかい?」
「はい」
「うん、イイコ」

綱吉が運んできたお盆の上には綱吉が作ったというクッキーがいくつも並んでいた。
いびつで少し焦げ目のきついそれを一つつまんで雲雀は口に放り込むとしばしモグモグと咀嚼し

「美味しいよ、さすが僕のお嫁さん」
「や、やだなぁ〜ヒバリさんったら」

照れてモジモジと身をよじる綱吉の肩を抱きながら中央のソファに案内しつつ雲雀はリボーンに心中で答えた。

(攫ったんじゃない。嫁に来たんだもんね)

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