♀ツナ 

□言い訳Lady 孤独なMr
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ヒバリさんは強い人が好き
ヒバリさんは可愛いモノが好き
ヒバリさんは小さいモノが好き


そんなヒバリさんはオレには絶対に手が届かないんだ・・






放課後の応接室。
華奢で真白い指先がピクンと震えた。

「・・目が覚めたの?」
「・・あっ・・」

体中が鉛になったように重く、そして痛い。
頭も目も、いや一番痛いのは下肢の付け根。
体を捻り横たわっていたソファの背もたれに手を付き起き上がると下肢から何やら液体が溢れた。

(・・なに?)

ズキズキと痛む頭とお腹。
視線を下半身に向けるとそこは凄まじい惨状になっていた。

溢れた液体は白濁で自分から流れ出たのであろう血液と交じり合いピンク色になって下肢を汚していた。

「・・あっ」

瞬間、思い出したのは先ほどヒバリさんを怒らせ鋭い眼光を投げつけられた時のこと。

『どういうつもりなの?人のものに手を出そうなんて』
『思い知らせてやらなきゃダメみたいだね』

そういって受けた手酷い暴行。
そう・・あれは・・

「・・くっ」

嗚咽とともに流れ出る涙。

「・・泣かないでくれる?」

僕が悪いみたいじゃないと、心底うんざりと言わんばかりにヒバリさんはため息を吐いた。

「す、すいませ・・ん・・」

ヒィーックと我慢しようとしてしきれなかった嗚咽が喉を震わせ溜まっていた涙を溢れさせた。

(そうだ・・オレが望んだんだ)

震える体を叱咤して脱ぎ散らかされた服をかき集めていると、いつの間にか傍に来たヒバリさんが濡れたタオルを差し出していた。

「使いなよ」
「あ、ありがとうございます」

タオルを受け取りヒバリさんに背を向けるように体中をザッと拭いたところで集めていた服を着込んだ。

振り向けばヒバリさんは定位置の机に戻り仕事をしているようだった。

傍らのテーブルに使用したタオルをたたんで置き立ち上がろうとするとズキズキと下半身が痛み立ち上がるのも覚束無い。

しかしいつまでもここにはいられないとグッと奥歯を噛み締めて立ち上がるとドアに向かい足を踏み出した。

出て行く時に振り返りヒバリさんを見ればオレに興味がないのか仕事をしているようで書類を手繰っていた。

「・・ごめんなさい・・ヒバリさん・・」

小さく呟いた謝罪は耳に届いたであろうか?

(でもどうでもいいことだよね)



オレなんてヒバリさんにとってなんの価値もないのだから




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