SSA
□キラキラ☆きらめきサマー
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「ヒバリさんの・・ばかぁぁぁぁ!」
「綱吉!」
応接室を飛び出して行く綱吉に雲雀は咄嗟に立ち上がったものの一歩も動くことが出来なかった。
「・・委員長」
「・・僕が何したって言うの?」
痛々しそうに自分を見やる草壁の視線が気に入らずトンファーを持ち出そうとするが草壁に諭されて綱吉の後を追うべく応接室を後にした。
−−−−−−−−−−
話は1時間ほど前にさかのぼる。
「こんにちは・・ヒバリさん?」
ピョコピョコと薄茶の柔らかなタンポポヘアを揺らして綱吉は応接室に入り込んだ。
いつもなら自分の気配だけで扉を開いて招き入れるのに珍しいなぁと思いながら。
「やぁ」
よく来たねと言いながらも机の上に山と積まれた書類を片づけることに精力を傾けているのか手元の書類から目を離さずに雲雀は声をかける。
「こちらへどうぞ」
「あっ、はい」
草壁に促されてソファに腰かけた綱吉はそれでも視線を雲雀から離さずにお邪魔かな?とふにゃんと眉尻を落とした。
「すいません・・」
差し出されたジュースのグラスを受け取り草壁に礼を言うと申し訳なさそうに草壁は
「委員長しかできない仕事が立て込んでいて申し訳ない」
「そ、そんな」
礼儀正しく頭を下げる草壁に綱吉は慌てて立ち上がり忙しいのにごめんなさいとこちらも頭を下げた。
「草壁」
「はい」
書類を差し出す雲雀の元に草壁が戻るとポスンと柔らかなソファに腰を下ろし綱吉はグラスを手にした。
(・・帰るタイミングを失っちゃったな)
忙しそうにする雲雀と草壁にこんな時、自分は何も役に立てないしなと思う。
(夏休み・・遊びに行けるかな?)
明日からの夏休み、初めて過ごす恋人との夏休み。
綱吉は雲雀とどんな風に過ごそうと話に来たのだ。