SSA

□お前バカだろ?
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「オレ・・愛が欲しい」
「はっ?」

ボンゴレボスの執務室にて珍しく訪ねてきた雲の守護者を交えて最強ヒットマンとお茶会の最中にポツリと呟くのは今や名実ともに大マフィアのボスとなった綱吉であった。

何処か遠い目をして綱吉は続ける。

「中学卒業と同時にこっちに来てがむしゃらにやってきて・・」

ふと気が付けば初恋の京子ちゃん以来女の子との接触は皆無に近く未だに女の人と手を繋いだことすらない。

「ツナ・・お前・・」
「・・・」

リボーンは憐れむような視線を送り雲雀は関心もないのか寄ってきたナッツとじゃれ合っていた。

「・・はぁ」

ため息をついて更に綱吉は続ける。
パーティなんかに出席すればそれなりに女性はやってくる。
でも、みんな地位や名誉、金が目当てと分かってしまい白けてしまうのだ。

「オレ自身を見てくれる恋人が欲しい・・」

ナッツとじゃれ合っていた雲雀はツイッと視線を向けるとちなみにどんな恋人が欲しいわけ?と聞く。

綱吉は視線を上げて考えるように一語一語大切なものを語るように告げた。

「美人さんです!」

ここは譲れません!鼻息も荒く綱吉が語るのは、この美人さんの為なら力が出せる。
辛いことも乗り越えていける!と思わせるくらいでないとダメ。

「自分を守れるくらいの強さがあること」

これも必須です。
なんて言ったって自分はマフィアのボス。
その恋人なら狙われて当然だ。
だから自分で自分を守れるくらいの強さがないと困る。

「あとある程度のお金持ちであること」

ここもポイントだ。
お金目当てでは自分は悲しくて立ち直れないだろう。
そういう女性を振り向かせるような趣味趣向も生憎持ち合わせていない。

「それから・・・」
「・・・」

リボーンは照れたように語る綱吉にコイツはバカだ。バカそのものだと呆れた視線を送る。
それから綱吉の話を熱心に聴く雲雀に気が付いた。

「なるほどな・・」

雲雀の気持ちなどリボーンはとうに気が付いていた。
綱吉が大好きなのだ。
だが生来のツンデレ気質が災いして未だに伝えきれないでいる。

さてどうしたものか?
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