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□Shall We Dance?
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雲雀さんがステップを踏むたびに肩にかけた学ランがフワリと空に舞う。
それは雲雀さんのステップの軽やかさを如実に表しているようだ。

視線を上げればお腹いっぱいの猫のように満ち足りた表情をしている。
視線に気が付くと口角を少し上げ目でなんだい?と問われる。

「…あっあのですね」
「うん」

クルリ雲雀さんに回転させられまた視線を合わせてもう一度

「あのですね」
「なんだい?」

黒真珠のような瞳が俺に優しく先を促す。

「…どうして俺達はここでダンスを踊っているのでしょうか?」

本日、並盛中学学園祭最終日クライマックスは定番のキャンプファイヤーだ。

キャンプファイヤーと言えばダンスはオクラホマミキサー。
気になるあの子と手が繋げちゃうかも〜のあのダンス。
それを俺は輪に入らずに雲雀さんと二人で踊っていたそのために通常ならば交代という場面で雲雀さんにクルリと回転させられているのだ。

「君と踊りたいから」

クルリとまた回転したところを引き寄せられて唇にチュッとキスを落とされる。
驚きに足が止まった俺に顔を覗き込みどうしたの?と問い掛ける雲雀さん。

「…場所を考えて下さい!」

朝礼台の上で雲雀さんとダンスなどというなんの罰ゲームかよという状況を我慢していたのに更にキスまで・・。
群れることが嫌いな雲雀さんが二人で踊りたいというのは分かるが何故に朝礼台なんだよ?
でなんでキスするんだよ?

「何か怒ってる?」

俯く俺を屈んで下から覗き込み頬をツンとつつく彼に羞恥心というものを誰か教えてやってくれと内心ツッコミ大きくため息をつく。
「…とにかくダンスがしたいなら二人きりになれる場所にいきませんか?」

なにせここはみんなの視線が痛すぎる。

(雲雀さんは何も感じていないようだけど)

「…ワォ大胆なお誘いだね」

ビックリしたように目を見開く雲雀さんに疑問を感じながら頷くと俺をヒョイと横抱きにして朝礼台から飛び降りると校舎に向かってスタスタと歩く。

校庭のざわめきがいっそう大きくなったようだが…もういいや…と脱力して雲雀さんの腕の中から顔を見上げた。
こういう彼氏を選んだ俺の自業自得だ。


俺が雲雀さんに喰われるまで後三分…。




「…あっあれ?ダンスは?」
「…僕の上で踊るんでしょ?」
「えっ?ええっー??」

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