White Room
□お兄ちゃん
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某日曜。
午前10時42分。
黒で統一された落ち着いたインテリアの部屋にインターホンが鳴り響いた。
ピンポーン…ピンポンピンポンピンポン
「れーん、もう勝手に入っちまうぞー」
部屋の主である蓮の返事も待たずにズカズカと上がり込む少年。
少し茶色がかった髪の毛と瞳、白い肌、小さい体、誰が見ても少女と間違えてしまうような美少年。
「瑠惟くん、そんな焦らなくてもゲームは逃げないよ?」
部屋の中から顔を出したのは、漆黒の髪に優しい目をした青年。
長身ですらりと伸びた手足、モデルのようなルックス。
「このゲーム予約すんの忘れたんだよ!」
リビングでは既に配線を終えてゲームが起動している。
「瑠惟くんは抜けてるからねぇ」
「うっせぇ!!仕方ねぇだろ?・・他のことで頭いっぱいだったんだょ・・」
語尾を濁らせながら目はしっかりテレビの画面を凝視している。
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