White Room
□兄弟
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その様子を見て瑠惟が首を傾げる。
「弟と仲悪いの?」
「瑠惟は一人っ子だからわかんないかも知れないけどさぁ、兄弟ってそんな仲良しなわけでもないんだよー?」
上に二人の兄がいる明がしょんぼりした顔で瑠惟を見た。
「あぁ、兄貴が冷たいんだろ?明が相手じゃ仕方ないよ」
「瑠惟っ!?」
サラリと毒を吐いたことを気にする様子もなく瑠惟は碧を見て続けた。
「何時に来るの?」
碧の言葉を3人はレポート用紙を覗き込んで待つ。
『13:00』
「「もう過ぎてるけど?」」
明と瑠惟が声を揃える。
「…仕方ない、ここに呼びなさい」
黙ってやり取りを見ていた蓮が溜め息をついて碧に言った。
『やだ』
「碧、16歳じゃまだ子供だよ。碧だってまだ未成年だし、何かあったときに責任は取れないよね?」
笑って言ってるけど声が笑っていない。
碧は仕方ないという顔をして携帯を取り出すとメールを打ち始めた。
「いい子だね」
ニッコリと微笑むと碧の頭を優しく撫でる。
それを無表情で振り払い、送信ボタンを押して携帯をテーブルに置いた。
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