White Room
□二人と一人
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どこにでもあるファミレス。
男三人でいるのも別に珍しくはないのだが。
「ほら瑠惟ーパフェ食べたかったんだろ?正直に言えばいいのに」
「別に言ってないし!しかもなんでこんなデカイのなんだよ!明が一人で食え!!」
二人並んで座る明と瑠惟を前に、コーヒーを飲む碧は呆れ顔だった。
『お前ら本当に仲いいな』
サラサラとペンを走らせる。
声が出せない碧にとって、家でも外でもメモ帳は手放せない。
「よくない!こないだだって明ってば女の子と遊んでたし!」
メモを見るなり瑠惟は碧にビシッとスプーンを向けた。
「だからその時の事謝るためにこうして俺がおごりで連れてきてんでしょ?」
明はにやけた顔のままパフェに乗ったさくらんぼを摘むと、くるくると指で弄んだ。