捧げもの
□仲良し大作戦
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「どうして貴方がここにいるんだ!」
「俺が何処にいようがおまんには関係ないやろ?」
いがみ合う二人。犬猿の仲とはこのことか……。
今にも掴み合いでもしそうな二人に白羅が仲裁に入る。
「まあまあ落ち着こうやぁ〜。喧嘩したって全然楽しくないでぇ?」
「この人とは仲良くなんて出来ません!」
「そうやで!エルノとは一生仲良う出来んわっ!」
白羅の仲裁は二人に火に油を注いだだけであった。
またいがみ合う二人に最早紫岐は呆れ、何事もなかったかのように紅茶を飲んでいる。
「ハァ…何でそんなに仲悪いん?」
多分、答えにならないような答えが返ってくると思いつつも、仲が悪い理由を聞いてみる。
「「ムカつくから!!」」
何故、仲が悪いのにこういう時だけ息がピッタリなのだろうか……。
まだいがみ合い、言い争いをしている二人に最早ため息しか出ない。
「折角、紫岐さんに紅茶やお菓子を頂いていたのに、貴方のせいで台無しだ!」
あの楽しかった時間を返せとでも言いたげなエルノ。
確かに楽しい時間を奪われることほど腹立たしいことはないが、ただ単に城へやって来たギルに対してそれはあまりに理不尽ではないだろうか……。
「とにかく僕は貴方が嫌いです!とっととどっかに行ってください!」
「ハァ?ならおまんがどっか行けばえぇやろ?」
「ハイハイストーップ!」
とうとう、我慢ならなかったのか白羅が二人に割って入る。
多少、二人に睨まれたが気にしないでおく。
「エルノちゃんはもう一回、紫岐とお茶しといて」
「え…」
「で、ギルはちょっとこっち来ぃ」
ガシッと腕を掴まれ、ずるずるとギルは城内へと連れて行かれてしまった。
突然の出来事に唖然としつつも、エルノは紫岐に促されもう一度、椅子に座り、紫岐とティータイムを満喫することにした。