Sweets Collection
□ストロベリー
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「あれ? ミチルさん、何そのショートケーキみたいなの」
そう、ショートケーキみたいなデザインのくせに、ハイレベルな大人向け女性用下着。
「ツ、ツカサ!」
背後から声をかけれらてミチルはドキリとして声を上げる。
ミチルと同じように店に来たツカサが事務室に顔を出したのだ。
ミチルは咄嗟に手にしていたものを握り込み、ツカサの視線から隠した。
「ねえ、手にしてるの、何? その白くて赤くてふわふわしたの」
「あ、イヤ何でもないんだ」
「見せて」「ダメ」という押し問答を数回、結局ソレは今ツカサの手にあった。
「ね、これってさ、女物だよね? どうしてこれ真ん中に穴が開いてるの?」
そういうツカサの顔がほんのり赤くなっていた。
改めて女性用の下着を間近に、まして手にする機会など、男子高校生にそうそうあるものではない。
「違うよ、そういうデザインなんだよ。穿いたままヤレルというかデキルというか……」
語尾がぼそぼそと小さくなる。
何ということを説明させるのだ。こっちだって顔が赤くなってしまう。
「すげえ。穴が開いてるから、もしかしたらこれは実は男物で、ここからアレを出すのかと思ったけど。そうじゃなくて、ココから入れるのか」
ぱっくりと、リボンを解き切れ目を広げたツカサは、そこから指を入れた。
顔が締まりなく緩んでいる。
こいつはまたとんでもないことを妄想しているのだ。
おそらくというよりきっと間違いない。
ツカサの脳裏にはそのパンツを穿いた自分が浮かんでいる、とミチルは確信する。
白のハイソックスを履いたまま、スカートを捲り上げて。
胸元ははだけさせられ、しつこく乳首をじんじん痺れてくるまで弄られて。
「ミチルさん? どうしたの? 顔思い切り赤いけど? 何を考えてたの?」
「お前に言われたくないっ」
「えーえーえー? 何が? ねね、何?」
「うるさいっ」
ああ、でも――…。
中途半端に脱がされた格好でツカサと? しちゃう? これを穿いて? そのまま?
ミチルはきつい口調でツカサに言葉を返しつつも、ドキドキとしてくる自分を認めざるを得なかった。