drama
□恋みくじ
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別に神サマに縋ろうとかそう言う訳じゃない。
ただ…願うよりはおまじないの方が聞くと思ったから。
財布から一枚残った百円玉をおみくじの箱に入れて、箱の中に手を突っ込む。
「よしっ…」
深呼吸をしてグッと中にある紙を掴む。
「…」
恐る恐る箱から手を引く。
握り締めた拳がふるふると小刻みに揺れる。
私はもう一度深呼吸をして、震える手先でおみくじの紙を開いた。
「吉…」
なんとも微妙な結果。
待ち人、来る 結婚 まだ早い とか色々書いてるけど…
「はあ…」
ため息をついて、おみくじを括らずに財布にしまうと、私は久保くんが待つ病院へと向かった。