AKB48U
□Relax!
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「いいよ?」
ブスの撮影でみぃちゃんはインタビューを受けていなくて…
ぱるさんと2人きりでなんか気まずいなぁと思っていたら、ぱるさんが唐突にこんなことを言ってきたんですが…
私はどうしたらいいんでしょうか?母さんと天井を仰いだ。
…というか、
え?なにが?
と聞く前よりも早く抱き寄せられた。ぱるさんに。
「ぱる?」
「だからいいよ?」
「あのっ…ぱるさん?なにがいいのですか…?」
「だぁ〜かぁらぁ〜…頑張ってなんて言わないからそんなに頑張らなくていいよ」
「ぱるさん…?」
いつも年上でマイペースなこの人に振り回されてしまう。
クリッとしたまんまるの瞳はなんかキラキラしてて、オシャレな美容院でバッチリケアしているキューティクルな茶髪、その雪みたいな白い肌にポテッとした艶のある唇に…
天真爛漫なぱるさん。
そんなぱるさんが好きな私、高橋みなみ。
絶賛青空片思いチユウで、ぱるさんと2人きりになると何話していいか分からなくて、目も見れないくらい緊張してしまう。
だからぱるさんに嫌われてるのかなとか絶対思わせてる訳で…高橋はそれを誤解だと大声ダイヤモンドしたい訳で…
そんな訳でイマイチ、高橋。
状況判断が出来てません。
きっとレポーターだったら失格レベルでス。
「たかみなは頑張り過ぎるの。たかみながそんな頑張らなくてもみんな頑張ってるんだから頑張らなくて…あれ?」
「イインダヨー?」
「うん、それ」
「おいっー」
自分で言ってて分からなくなっていたので要約したら、ネタにノってくれない…というか、天然で気付いてないぽっいです。
ぱるさんそこはノって欲しかったよ!?
「なんとなく分かったよ…ぱるさん」
「うん、だから頑張らなくてもええねんで♪」
「うえっ…!?ちょっ…ぱるさん…?」
それはあなたの好きなハロプロさんの曲じゃないでスか。
とツッコミ入れようとしたら視界が反転して、頭に柔らかい感触がした。
「えっと…なぁんだこれ?」
「膝枕」
「ぱるさんが…?」
「うん」
「あたしに…?」
「うん。いや?」
「いやいやいや!そんなことある訳ないじゃないですかぁ〜!」
だって、優子お気に入りの小嶋さんの柔らか太ももですよ?
膝枕ですよ?
…嫌な訳ないじゃないですか。
「良かった…。リラックス、リラックス…」
ポンポンとぱるさんは嬉しそうに白い歯を見せて、私の頭を優しく撫でながら微笑む。
「リラックス…」
「うん。いつもたかみな陽菜といるとギクシャクしてるでしょ?だぁからぁリラックス!」
「は、はい…」
やっぱり、ぱるさん気付いてたんでスね…。
それもそうか…
私、明らさまだったし…
「リラックスだよ…?」
私の頬に長くて細い指が触れて、ぱるさんの顔がめちゃくちゃ近くて…ってあれ?
「…ッ!?」
ぱるさんの唇と私の唇が重なっていた。
つ、つまり私とぱるさんはキ、キスしていた。
「リラックス…出来るおまじない」
「お、おまじない…!?」
ゆっくりと垂れた髪を耳にかけて微笑むぱるさんが美人過ぎて…私の体温は上がり、顔がりんごみたいに赤くなっていた。
「うん。みぃちゃんがーたかみなにキスしたらいいよって…」
みぃちゃんー!?
アンタって人はあああああああ
「フッフフ…嘘だよ。ほんとは陽菜がたかみなにキスしたかったからしただけ」
「なっ…!?」
ガチャ
「終わったよー。次、にゃんにゃん出番ー…ってあれ?」
「あ、みぃちゃん」
「ラブラブですなぁお二人さん♪」
インタビューを終えたみぃちゃんが楽屋に帰って来た。
この策士め…
「うん♪じゃ、陽菜言ってくるねぇ〜」
「はぁーい」
「い、いってらっしゃい」
手を振るぱるさんを恥ずかしくて私は見れなかった。
「どうだった?」
「へ?」
ぱるさんが部屋を出るのを見送ると、みぃちゃんが私の隣に座ってニヤニヤしてる。
「なにが?」
「にゃんにゃんとのちゅーは…?」
「…!?」
「あ、最初から聞いてたよ」
私が言う前にニッコリと笑うみぃちゃんをやっぱり策士だと思った…。
「レモン…フレッシュレモン…」
「フレッシュレモンになりたいの〜♪」
ああ、もうぱるさんとどう顔合わせしたらいいのやら…
「好きって言葉はダイヤモンドだよ?」
「…ッ…知ってるよ」
ぱるさんが帰って来たら、好きだと言おう。
恥ずかしいけれど…
この気持ちを私は我慢出来そうもない。
今はただ心に深呼吸。
大好きだよ、ぱるさん。
fin.