AKB48U

□向日葵と太陽と。
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「絶対怖いから…助けてね」


第2回総選挙。
優子は一位になった。


前から一位になりたい。

センターになりたい。


みんなが一位はやだ。

センターにはなりたくない。


そう言う中で…優子は断言していた。


いつも自信に満ち溢れていて、勝ち気な性格で弱みなんて人前では見せない優子が才加や佐江の前で弱さを見せている。


私はその様子をただ眺めていた。


「あ、にゃんにゃん…」


「優子」


2人の背中越しに私を捉えたのか優子と目が合う。


泣きながらいつものふにゃりとした笑顔で私に笑いかける優子。


「……」


「にゃんにゃん?」


優子が私に近付いて来て、私の顔を覗き込んでくる。


「優子…」


「ふぇ?」


グイッと優子の手首を掴み、その場から抜け出す。


「ちょっと…にゃんにゃん!?」


「いいから」


空いていて使われていない楽屋を見つけて、優子を中に押し込むと楽屋に鍵をかける。


「……?」


鍵を閉める私に優子は不思議そうに首を傾げる。


「いいよ…」


「え?」


「私の前で強がんなくていいから…本当は怖いのに無理して笑って…馬鹿みたい」


「にゃんにゃん…」


私の言葉に優子は俯き、なぁんだバレてたかなんて苦笑した。


「素直じゃない優子は嫌い」


「うん…ごめん」


優子の頭が私の肩にもたれかかる。

私はその頭に手を伸ばして撫でた。


「私だって怖いよ…」


「怖い…?」


「優子が遠くなる」


順位的に大きく変わった訳じゃない。


でも、一番と二番は大きく違う。



優子が遠い存在になっていく。


「にゃんにゃん…」


「怖いのは私も一緒。優子とは背負うものが違うけど…だから…その半分、私が受け止める」

「…ありがとう」


喜びも悲しみも全部…全部。



「ねぇ、にゃんにゃん…?」


「んー?」


目を閉じてあひる口で私の顔に近付いてくる。


「ちゅ〜」


「はいはい」


いつもならキモイとかやだとか言っちゃうけど…


今日だけは許してあげる。


だから頑張ってね


負けないで


私の太陽


太陽がないと向日葵の私は生きていけないんだから。





「にゃんにゃん〜♪」


「なに?」


「すぅき」


「知ってるよそんなの」





私の方が優子を好きなことなんて優子は知らないだろうけどね。








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