AKB48U
□次世代エースを狙え!
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「きたりえー」
「んー?」
「呼んだだけー」
「な、んですと…ッ!?」
「ふふっ〜♪」
ふたりぼっちになった楽屋で、あきちゃの顔がフニャリと緩む。
黙っていれば壊そうに見える?あきちゃは話してみれば…
天然で、見ているだけで面白い。
喋ったらもっと面白い。
「緑茶ー麦茶ー」
「でも、やっぱり〜?」
「あきちゃー!って…ウーロン茶まで言わせてよッ」
「あははーごめんごめん〜」
キャッチフレーズでもかなりいい線いってるんじゃないかときたはらさんは思うわけですよ。
「あきちゃはさぁー…」
「んー…?」
大好きな某会社の青色の紙パックのミルクティーを美味しそうに飲むあきちゃ。
普段、背の高いあきちゃが私を上目遣いで見つめている状態になっていまして…きたはらさんはちょっとドキドキです。
「テニスしてる時、格好いいよッ」
「ふぇっ…?」
まん丸な瞳がもっと丸くなる。
その下にある左の泣きボクロがキュートな高城さん。可愛い。
これは…スマッシュを決められてしまいましたよきたはらさん。
「スポ根見たんだけど…あきちゃが格好良すぎて…きたはらさ
ん惚れ直したよ」
「あ〜…」
私が補足説明すると、あきちゃは理解したのかそう言うとまたちゅーとミルクティーを飲んだ。
「…全然、格好よくないよ。負けちゃったし…」
暫くの沈黙の後にポツリと呟いたあきちゃにしてはネガティブは発言。
あきちゃは私が思ってるより負けず嫌いなんだよね。
だから負けて悔し涙を流すあきちゃを見て、私も泣いてしまった。
天然でいつも何考えてるのか分からないあきちゃが感情を全面に出して、悔しがっていた。
あれ以来、数日間はあきちゃは心ここにあらずだった。
数週間すれば元のあきちゃに戻っていたけど…
「そんなことないよ!格好良かったし!」
とありきたりな言葉でフォローを入れても、あきちゃな顔は暗いまま…
「そうかな…?」
隣に座るあきちゃの手が重なってきて、あきちゃが私を見上げる。
「う、うんッ」
「なら、いいやぁ〜♪」
大きく数回頷くと、あきちゃはいつものふんわりとした笑顔で笑った。
「あきちゃは格好いいよ!」
「うん…ありがとう、りえ」
あきちゃの笑顔のサービスエースが華麗にきたはらさんのハートに決まった。
高
城さん…それは反則デスヨ…
エース♪エース♪エース♪
次世代〜エースを〜……
ねらえません(笑)
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