その他
□嫌いのち好き
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子供は嫌いだ。
すぐ泣くし、理論的じゃないし、すぐ懐くし…
兎に角語り出したらキリがない。
実験のためとはいえ、オマケで取った教員免許が役立つなんて露にも思わなかった。
私は教員には向いていない。
教育者より科学者の方が向いているからだ。
人よりも実験の方が好きだし。
繰り返すが子供は嫌いだ。
でも、子供も悪くないと思った。
大人の私が子供に怒られることもあったし、驚かせられたり、からかわれたり…
子供達の笑顔を見るだけで私は幸せだった。
「木山せんせ」
私の名前に先生など付けて、愛くるしく呼ぶ子供が私は好きだった。
特に黄色カチャーシャを付けたこの子が。
「なんだ」
「あのね」
目線を合わせるためにしゃがんだ私の耳元に彼女は耳打ちをした。
『』
「…!?」
繰り返す。
子供は……