けいおん!!!
□my little sister.
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『お姉ちゃん、お姉ちゃん』
私には似ても似つかない妹がいる。唯、それが私の妹の名前…。
私達は平沢家の三人姉妹。
同い年の私と唯、そして1つ年下の憂。
私と唯は一卵性双生児として産まれた。
妹の憂は姉の唯にべったりで、唯は私にべったり。
長女として、妹達の面倒を見るように両親に言われていた私は…唯と憂をそれは熱心に面倒を見た。
しかし、憂は私よりシスコンで私が厳しくするのに対して、のんびりとした唯の面倒を甘やかして見る憂は逞しく育ち、自分が妹だと言うのにしっかり者に育った。
長女と三女に挟まれて育った唯はのんびりすくすくマイペースに育っていった。
「唯、どうした?」
「澪…」
鶏を模した人形を胸に抱きながら私の部屋に入って来た唯。
「眠れないのか?」
「うん…」
「そっか…」
私と唯は高3、受験も終わり、合格を決めた私達は暇を持て余していた。
「私…澪ちゃんと同じ大学に行けるかなぁ」
唯は不安の顔を隠すように俯いた。
「唯…」
「澪ちゃん…わたし…わたし…」
「唯、一緒に住むか?」
「え…?」
「高校を出たら、2人でアパートを借りてさ。一緒に住もう」
「澪ちゃん…」
「例え、反対されようとも。私は唯を離すつもりはないよ」
「澪ちゃん…ありがとう」
ギュッと私の袖を掴む唯。
私達は姉妹だ。それも血の繋がった本物の…。
けれど、私達はお互いに愛し合っていった。
同性愛、近親相姦…
きっと私達の恋は許されないもの何だろう。
でも、私は唯を離すつもりはなかった。唯と一緒なら何でも出来る気がしたから。
「お姉ちゃん達と離れるなんてやだよ!」
「澪、唯…考え直さないか?」
「2人だけじゃ心配よ…」
家を開けることが多い両親は憂が一人になることを心配して私達の話なんて聞いてくれなかった。
「やだよ…お姉ちゃん達と離れたくないよ…」
「憂…」
「兎に角、もう一度考え直しなさい。澪、唯」
分かっていたことだった。
姉にべったりな憂が賛成する筈もない。またパパもママもそれを分かっているから反対する筈だと分かっていたんだ。
でも、これ以上隠れて唯を妹として見ることが出来なかった。
パパもママも憂も好きだし、大切だけど…私にとって唯はそれ以上に大切なんだ。
なんとか説得して、私だけ1人暮らしをすることになった。
卒業式が終わり、私達はアパートを探し、契約を結
んで、唯の荷物を少しずつ移していった。
「唯、本当にいいのか?」
「うん。澪ちゃんと一緒ならどこだって行けるさ」
「頼もしいな、さすが私の妹」
「えへへー」
二人ならきっと大丈夫。
私らは姉妹なのだから。