DDFFの篭

□FFの日SS
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【FF11の日★記念SS】



その日ヴァンは、ラグナ、ティファ、ユウナ、ジェクトと行動を共にしていた。
そして、偶然見つけたひずみ。
そこにいたのは、大人の腰くらいしかない小さな身体の割には、えらく態度のデカい一人の年齢不詳の女性だった。


「はじめまして。そして、さようなら。」
彼女は気取った口調でそう言うと、さっさと立ち去るように切り口上でまくし立てた。
まるでぬいぐるみのような見た目と話の内容のギャップに、ヴァン達はなんと答えたら良いものか迷った。
すると、彼女は呆れたように溜め息をついた。
「なんですの?そう言われても帰り方がわからない?」

(いや、別にわかりますけど・・・。)

皆は心の中でつぶやいた。
唯一返事をしそうになったヴァンの口は、間一髪でラグナが押さえた。
「なら、野垂れ死にでもなさい。先へ進めたら、少しは相手をしてあげますわ。」
そう言いながら彼女は、ふりふりと小さなお尻を振りながら、ひずみの奥へと立ち去って行った。



「な〜んだ、あれ?」
ラグナが手を離すが早いか、ヴァンが興味津々という顔で言った。
「さあ、なんだろうな?身長と態度が見事に反比例してたな。」
ラグナが可笑しそうに言う横で、ユウナが首を捻りながら言った。
「確か、この世界には最強の呼び声が高い『高貴なる淑女』が居るって聞いたことがありますけど、もしかしたらその方でしょうか?でも、淑女って言うより・・・、」
「ぬいぐるみだな。」
言いにくそうに口ごもったユウナに代わって、ジェクトが顎をかきながら、しれっと言った。
すると、ヴァンがキラキラと目を輝かせた。
「スゲー!あいつ、ぬいぐるみのくせに最強なのか?」
「いや、実際にはぬいぐるみじゃないから。」
そうツッコむティファに、ヴァンはますます瞳を輝かせる。
「あんな小さいのにぬいぐるみじゃないの?それもスゲー!」
「おい、ラグナ。俺は何か悪い予感がするんだがな?」
ヴァンのテンションが微妙にどんどん上がっていく様子に、ジェクトがぼそりと言った。
「ええ、私達も。」
ユウナとティファも不安げに頷き、ラグナが慌ててヴァンに言った。
「おい、ヴァン。ちょっとこのひずみは変わってるみたいだから、また今度・・・」
だが、ヴァンはラグナに向かって好奇心の塊のような顔で言った。
「ラグナ、あいつ何歳だろうな?」


(あちゃーー!)

ラグナ以下全員が顔を手で覆った。
だから、何回女性に「歳を聞くな」と教えれば、コイツはわかる?
ていうか、なんでそんなに歳が知りたい?
皆の頭にこんな考えがグルグルしている間に、ヴァンは勢いよくひずみの奥へと駆け出した。

「オレ、ちょっと聞いて来るーー!」

数秒後、我に返ったラグナ達が慌ててその後を追って行った。



***おしまい***

(2011/11/11)


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