DDFFの篭

□Happy Halloween!
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こうして始まることになったハロウィン・パーティー。
お菓子を配る係として、ウォーリア、カイン、ジェクト、ラグナ、ライトニングの五人。
他のメンバーは、仮装をしてお菓子を貰いに廻ることにした。早速プリマビスタの衣装部屋に行くと、好きな衣装を選び出した。
「わあ、沢山あるね。どれにしようかな?」
ティファとユウナが迷う横で、ヴァンが明るく言った。
「あ!オレこれにする。」
それは、青いパイレーツコートでお揃いの帽子が付いていた。
「うん、いいね。ヴァン君すごく似合うじゃないか。」
そう後ろからかかった声に、ヴァンは驚いて振り返った。
「あれ、ラグナじゃん。何してんだよ?また迷ったのか。」
そのヴァンの言葉に、ラグナは心外そうに首を振った。
「嫌だな、ヴァン。俺はジェクトからの伝言を伝えに来たんだよ。」
「ジェクトさんから?何でしょう。」
大きな瞳を丸くするユウナに、ラグナはジェクトの声色を真似て言った。
「『俺達もただ配るだけじゃつまんねぇ!艇の中に隠れるから探し出してみろ、ヒヨッコども!』だってさ。」
その伝言にジタン達は笑い出した。
「ジェクトらしいな。よし、乗った!」
すると、バッツが悪戯な瞳をキラキラさせながら言った。
「どうせなら、誰が一番早く集められるか競争しないか?」
「お、いいねぇ!その提案にも乗った!」
ジタンが黒いマントを選び出しながら、バッツの意見に賛成した。
「それなら、盗賊には負けられないな。」
「私達だって、負けないんだから。」
ヴァンとティファ達も笑って賛成した。
盛り上がるメンバーの後ろで、オニオンナイトとスコールの二人はウンザリした様子で深い溜め息をついた。
そんな二人の肩を、ラグナは笑いながら叩いた。
「おいおい、そんな恐い顔すんなって。どうせやるなら、楽しくやろうぜ。」
だが、ラグナの軽い言葉に、二人の眉間のしわはより一層深くなった。



「そうだ。せっかく衣装部屋に来たんだから、ラグナも着替えたらどうだい?」
セシルがようやく決めた衣装を取り出しながら、ラグナに言った。
「え、俺も?」
ラグナは驚きながらも満更ではない様子だ。
「そうだよ、配る方だって仮装した方が盛り上がる。これなんかどう?」
と、フリオニールが差し出したのは古風な騎士の鎧。ハンガーのタグには、『魔女の騎士』とあった。
「ふ〜ん、なんか格好いいな。よし、これにしよう!ついでに、ジェクト達のも持って行ってやるか。」
「なら、ライトのは私達が選ぶ!」
ティファ達も寄ってきて、衣裳部屋はより一層賑やかになった。
その喧騒の中で、浮かない顔をしながらもオニオンナイトとスコールは無難そうな衣装を選び始めた。
その様子を満足げに眺めて、ジタンが高らかに言った。

「じゃあ、後一時間後にハロウィン・パーティーの開始だ!皆、お菓子と思うなよ。お宝探しのガチンコ勝負と行こうぜ!」


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