DDFFの篭

□FF12ヶ月物語
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【 6月・・・6X12 】




クリスタルの力を求めてティナとオニオンナイトは、行動を共にしていた。

「ああ、疲れたね。少し休もうか。」

次元城までたどり着いた二人は、大きな木の根元に腰を下ろした。
涼しげな風が吹き、歩き疲れた身体を優しくなでていく。さわさわと木の葉が奏でる音が、耳に心地よかった。

「この木、実がなってるよ。のども渇いたし、ちょっと食べてみようか。」

オニオンナイトがすらりと細身の剣を抜くと、木になっている実を二個落とした。
その実は、青みがかった五辺のとがった形をしていた。器用にオニオンが大きな岩の上で実を切り分け、ハンカチの上に並べると、まるで星のような形になった。

「まあ、かわいい形ね。」

にっこりと笑ったティナの前で、オニオンが「毒見に」と一切れ摘んで口にした。

「どう?おいしい?」

心配そうに聞いたティナに、オニオンはコクンと頷いた。

「うん、甘酸っぱくておいしいよ。」

「そう。じゃあ、私も食べよう。」

ティナは安心したように笑って、自分も星型の実を口に入れた。
そしてそれを味わいながら、不思議そうに首を傾げた。

「ねえ、この実のこと知ってたの?とっても上手に切り分けたけど。」

「ううん、初めて見た。だけど・・・」

オニオンは、困ったようにティナを見つめながら言った。

「自分でもよく分からないうちに、できたんだ。頭の中で『誰か』が、五辺の緑の部分は苦いから落として、こんな風に寝かせて切ればいいって教えてくれた・・・。」

「頭の中で誰かが?」

「うん。それが誰なのか思い出せないけど。」

そう言って考え込んだオニオンに、ティナはもう一切れ星の実を手にすると言った。

「記憶がなくっても、こんな風に身体が覚えていることがあるのかも。
私もね、この実を食べると、なんだか懐かしいような暖かい気持ちになるの。もしかしたら、私も誰かと一緒に食べたのかもしれないわ。」

「ティナ・・・。」

驚いたように目を見開いたオニオンに、ティナは優しく微笑んでいった。

「きっと、その『誰か』は私や貴方にとって、大事な人だったんじゃないのかな?」

ティナの言葉を聞きながら、オニオンは一切れ星の実を取った。
そして、カリッと噛んだ。甘酸っぱい味が口いっぱいに広がり、ティナの言うように懐かしくて暖かな気持ちになった。

「もしかして、私と貴方のその『誰か』は、同じ人だったりするかな?」

それには、オニオンは笑って首を振った。

「まさか。僕達は違う世界から来たんだから、そんな訳ないよ。」

「そうか、そうだね。ごめん、変なこと言った。」

恥ずかしそうに笑うティナに、オニオンは星の果実を勧めた。

「さ、まだあるよ。食べて。」
「うん、ありがとう。」

並んで食べる二人に、心地よい風が優しく頬をなでていく。
その風に髪をなびかせがら、ティナは心の中で考えた。


―――そんなこと、ある訳ないよね。
でも・・・。
でも、もしそうなら、とっても素敵。




二人の覚えていない『誰か』が、守りたかったもの。
例え、志半ばで倒れてしまったとしても、その強い思いは消えたりはしない。
全てを覆う空の中に、髪をなでる風の中に、道を示す星の中に。
思いは色あせることなく、新たな戦いへと、仲間へと託されていく―――。




〜FIN〜




ヴァンが弟のように思っていたオニオンと、ヴァンが連れて逃げたティナ。
「最後の戦い」で、この二人が一緒にいるのを見て、「ヴァンが引き合わせたーー!」って思いました。
その思いをこめて、この話を書きました。



もし三人が一緒に行動したら、きっとティナの取り合いで大変だろうな〜って思います。
そんで騒ぎ疲れて、ヴァンとオニオンがティナの膝枕でお昼寝したりしてvv
もう、可愛すぎるっ!この三人!!p((//∀//))q



(6月 拍手文)

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