四の篭(拍手、イベント)

□2013年〜 Web拍手文
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 ■ ンカ ■



「もう信じられない!バルフレアのバカ!」

ヴァンの大声の後に叩き付けるように閉まるドアの音。
続いてダダダッと階段を駆け下りる音がしたかと思うと、ものすごい勢いでヴァンが隠れ家のリビングを駆け抜けた。そして叩き付けるように玄関のドアを閉めるとヴァンは隠れ家から飛び出して行った。
その間、約十秒ほど。
突風のようにヴァンが出て行った後、再びリビングは元の静けさに包まれた。


「はあ・・・。」

深い溜め息と共に、こめかみを押さえながらアーシェが首を振った。
その横顔を痛ましそうにチラリと見て、パンネロは小首を傾げて言った。

「今度のケンカの原因は何でしょう?」

パンネロの問いかけに、フランは銀色の髪を揺らして笑った。

「どうせくだらないことよ。」

そのやりとりに、今度はバッシュが溜め息をついた。

「まったく、どうして毎日ケンカをせずにいられないんだ?あの二人は・・・。」

バッシュはヴァンの出て行ったドアを見、次にバルフレアがいる二階の天井を見上げると腕組みをしながらつぶやいた。

「なんとかして、あの二人がケンカしないようにならないものだろうか?」

そう言って悩ましげな顔で考え込んだバッシュに、女性陣三人はほとんど同時につっこんだ。


「ムリです!」
「無理ね。」
「無理だわ。」


「そ、そうなのかい?」

その見事なハモリに驚いて目を丸くするバッシュに、三人は苦い表情で頷いた。

「いや、でも、ケンカはよくないし、なんとかなるものならば・・・」

しどろもどろになりながらも尚も言いかけるバッシュに、三人は何とも言えない憐れみの眼差しを向けた。
だが、また声をそろえて「無理!」ときっぱり言い切ったのだった。



〜FIN〜


(2013/5月)


だって「ケンカするほど仲がいい」って言うし、「夫婦喧嘩は犬も食わない」でしょう?
と、アーシェ達は心の中でつぶやいているのです。
そして、「いいかげん気付けよ、バッシュ!」と(^^;)
あ、またバッシュおちだ!


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