ラビリンスの篭(DDFF)

□Labyrinth 職能の回廊
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Labyrinth


【 職能の回廊 】


夕食が終わって、思い思いの時間を過ごす自由な時間。
その時には、フリオニールは決まって武器の手入れをした。
短剣。
片手剣。
大剣。
槍。
投擲。
斧。
ロッド。
多彩な武器を使いこなすフリオニールは、扱う武器も様々で、その手入れに余念がないのだ。
「あ〜、やってる。やってる。」
そんなフリオニールのもとに、賑やかな声と共にヴァンとバッツがやって来た。
「もう、稽古は終わったのかい?」
穏かな笑みを浮かべて、フリオニールは歳若い二人に聞いた。夕食後に、二人が戦いの稽古をするために野営を飛び出して行ったのを見ていたのだ。
「うん、終わった。バッチリ!」
笑って言うバッツの横から、ヴァンが興奮したように口を添えた。
「バッツったら、すごいんだぜ。ラグナのHP攻撃のラグナロクブレード出せるんだ。それにユウナの地獄の火炎やセシルのダークフレイムも!」
「俺って天才?」
自慢げに鼻を高くしたバッツに、ヴァンは少しだけ悔しそうな顔をした。
「ズルイよな、バッツは。人の技まで使えてさ!」
そんなヴァンに、バッツは笑いながら言った。
「何言ってんだよ。ヴァンの方が、ブレイブ攻撃の種類が多いじゃないか。武器だってスイッチできるし。」
「へへ〜ん、まあね。」
たちまち機嫌を直して、得意げに鼻の下をこするヴァンに、バッツとフリオニールが笑った。


「行かなくていいのか?」
その様子を、少し離れた所からぼんやりと眺めていたオニオン・ナイトに、ラグナが声をかけた。
「は?」
訝しげに顔を上げたオニオンに、ラグナはヴァン達の方を顎でしゃくった。
「なんか、混じりたそうな顔してるけど?」
「冗談でしょ?あのうるさいのが側に居なくて、せいせいしてるのに!」
オニオンは、ラグナの言葉に大人びた仕草で肩をすくめた。
「ふ〜ん。そりゃ、失礼。」
そう謝りながらも、半信半疑という顔のラグナに、オニオンはムキになって叫んだ。
「だから、ほんとに違うから!ヴァンと一緒に稽古したかったなんて思ってないから!」
すると、ラグナは可笑しそうに笑った。
「誰もそこまで言ってないけど?」
「っ・・・・!」
赤くなって下を向いたオニオン・ナイトの顔は、珍しく歳相応の幼い表情が浮かんでいた。
そんなラグナとオニオン・ナイトのやり取りに気付いて、ヴァンが急いで駆け寄ってきた。
「何やってんだよ、ラグナ。子供をいじめるなよ。」
「誰が、子供・・・!」
更に顔を赤くして言い返そうとするオニオンを、ヴァンは手で制した。
「いいから。オレが来たから、もう大丈夫だ。」
そして、ラグナに向き直ると呆れたような口調で言った。
「ラグナはネギ坊主の何倍生きてるんだ?あんま、大人気ないことすんなよ。」
すると、ラグナはにっこり笑いながら言った。
「え〜、別にいじめてたんじゃないぜ。オニオン君が、ヴァンのとこに行きたそうな顔してるから、行かないのかって声かけただ〜け。」
「だ、誰がっ!嘘だっ!」
ラグナの言葉に飛び上がったオニオン・ナイトだったが、ヴァンは気にもとめず「な〜んだ」と明るく笑った。
「そうだったのか。なら、早く言えよ。」
そして、ラグナとオニオンの二人の手を掴むと、フリオニールとバッツの方へと歩き始めた。
「あれ?俺も行くの?」
少し驚きながらラグナが問えば、ヴァンはこくりと頷いた。
「どうせ、ラグナはやることなくて暇だろ?今からフリオニールが武器の手入れの仕方教えてくれるから、ラグナも聞いとけよ。」
「ふ〜ん。のばら君って、銃も扱えたっけ?」
「扱える・・・だろ。ダメなら、オレが見てやるよ。オレはできるから。」
「じゃあ、お願いすっか!」
「おう、任しとけ!」
楽しそうに話すヴァンとラグナの横で、ヴァンに引きずられるようにして歩くオニオン・ナイトは、深い深い溜め息を付いた。



そして、その一部始終を見ていたスコールは、冷めた目で独り言を呟いた。
「自分が一番混ざりたかったんじゃないのか?」
まるでその問いに答えるように、ラグナの楽しそうな笑い声が響いてきた。



〜FIN〜


(2011/6/16)



なんか、職能とはかけ離れた内容に・・・(^^;)
またまた、ラグXヴァンXオニのバカ話。
しつこいようですが、じゃれるこの3人組が好きですv
&スコールの声に出さないツッコミもv


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