秘密の篭(R-18)

□ALL AT SEA(大人バージョン)
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**はじめに** 
 この話は、『ALL AT SEA』(一の篭収録)の成人向けの話です。
 途中までは同じですので、こちらでは話が分岐する所から載せます。
(P.4の海岸を歩いていたヴァンが、バルフレアの背中に抱きつき話すところから)

 まだお読みでない方は、本編を読んでからお読みください。



** ALL AT SEA **
   (大人バージョン)



「もう、分かったから泣くな。」
バルフレアはヴァンの腕を解いて向き直ると、ヴァンの顔を両手で挟んだ。
そして、そっと唇をヴァンの目尻に押し当てて、涙を吸い取った。
「バルフレア・・・。」
切なく呼ばれた自分の名前に、バルフレアは甘い痺れを感じた。
「つまらない焼餅なんか妬くな。手を取って話したくらい何だ。お前にはそれ以上のことしてるだろ。」
バルフレアは笑いながら、ヴァンを抱きしめた。
だが、ヴァンは聞き分けのない子供のように、その腕の中で首を振った。
「嫌だ。それでも嫌だ。」
バルフレアはそんなヴァンを更に強く抱きしめると、耳元に唇を押し当てて低い声で囁いた。
「なら、どうして欲しい?俺のこの手で、お前なら何がして欲しい?」
ヴァンの身体がビクリと震えた。ゾクゾクとするような艶のある声と、その思わせぶりな言い方に、急に体温が押し上がった気がした。
「バルフレア・・・。」
おずおずとヴァンが顔を上げれば、夜の闇の中でバルフレアの翠の目がヴァンの目を捕らえた。
刹那、背中に電流のような痺れが走り、ヴァンはバルフレアの首筋にしがみついた。
すぐに噛み付くような口づけが落ちてきて、二人は最初から水音が響くような激しい口づけを交わした。


「ん、あふ、あ・・・バル、フレア。」
ヴァンは溢れ出す想いに駆られて、口づけの合間にも狂おしくバルフレアの名前を呼んだ。そんなヴァンを、バルフレアは腕の中に閉じ込めるようにきつく抱きしめた。
そしてバルフレアは、縺れるように近くの大きな岩の上へとヴァンを押し倒した。ヴァンの背中に、岩のひんやりとした固い感触が伝わる。だが、それもつかの間のことで、繰り返す口づけにすぐに熱が上がった。
性急にベストを脱がせながら、バルフレアの唇がヴァンの首筋を這い、ヴァンは震える腕でバルフレアの後頭部を抱きしめた。
もう、さっきまで喧嘩していたことも、ここが野外であることも消し飛んだ。
胸から腹部を撫でるように動くバルフレアの手に、呼吸が早くなって行く内に、器用に腹帯が外された。
そして、バルフレアの手がズボンの中に忍び込んでくると、ヴァンの頬は赤く燃え腰が小さく跳ねた。
それなのに、バルフレアはヴァンの耳に舌を這わせながら意地悪く問う。
「ほら、ヴァン。言えよ。俺の手でどうして欲しいか。」
バルフレアは触れるか触れないくらいのやわい手つきで、ヴァンの雄をそっと撫で下ろす。
「あ・・・、ああ、やだ・・・。」
もどかしい感覚と羞恥にヴァンが首を振れば、バルフレアは更に低い声でヴァンに囁いた。
「嫌?これが嫌?こんなに濡れてるのに?」
その言葉とともに敏感な先端をバルフレアの長い指で揉みこまれれば、ヴァンは切なげな声を上げて背中を反らせた。
「あ、あぁん、ちが・・・、」
ヴァンはバルフレアの愛撫に息も絶え絶えで、言葉を紡ぐこともできない。そんなヴァンを、バルフレアは更に追い詰めた。
「違うなら、言えよ。かわいくおねだりしてみろよ。」
くつくつと楽しげに笑うバルフレアを、ヴァンは涙の溜まった瞳で睨んだ。その無自覚な色香のある表情に、バルフレアはすうと目を細めた。そしてヴァンの赤く染まった瞳のふちを、舌先で柔らかく舐めた。
「あ・・・、バル・・・。」
ヴァンはその優しい愛撫に悩ましげに身をよじると、舌先を伸ばしてバルフレアの舌に絡めた。
まるで遊ぶように舌先だけを触れ合わせる。頭の芯が痺れるような淫靡な舌先の戯れに、二人の身体は燃え上がっていく。
バルフレアはヴァンの腰を引き寄せて、自身の硬く勃ち上がった昂ぶりを擦り付けた。
「・・・っ、はぁ、ああっ!」
ヴァンは堪らず高い嬌声を上げて、バルフレアに縋り付いた。細い腕をバルフレアの首筋に巻き付けると、震える唇をバルフレアの耳元に押し付けて、熱い吐息混じりに囁いた。


「あんたでオレをいっぱいにして。オレがあんたのものだって・・・、あんたがオレのものだって分かるように・・・!」
クッとバルフレアの喉が鳴った。眇めた目でヴァンを見ると、婉然と微笑んで答えた。
「仰せのままに・・・。」
その声の色香に、ヴァンはゾクリと背筋が粟立つような気がした。


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