秘密の篭(R-18)

□HONEY DROP(大人バージョン)
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**はじめに** 
 この話は、『HONEY DROP』の成人向けの話です。
 途中までは同じですので、こちらでは話が分岐する所から載せます。
 (ヴァンが浴室から出てくる所から)
 まだお読みでない方は、読んでからこちらをお読みください。


〜HONEY DROP〜
        《大人バージョン》




「やっぱり、昼過ぎに帰ったらよかったなぁ。」
深い溜め息と共に、ヴァンは浴室を出た。
バルフレアはまだ部屋に帰ってきてなかった。
ヴァンは濡れた髪を拭きながら、ベッドに腰掛けてバルフレアの帰りを待った。だが、睡魔が遊び疲れた身体を支配する。
次第にヴァンは、眠りに引き込まれていった。



どれくらい時間がたっただろう。
ヴァンは、自分の身体に与えられる甘い刺激に気付いた。ゆるゆると優しく全身を支配する感覚・・・。
そこで、ヴァンは完全に目を覚ました。
「ちょっと!バルフレア、何やって・・・!」
身体を起こそうとして異変に気付く。なんと、両腕が縛られてベッドに繋げられている。そればかりか、身体には何も身につけてなかった。
「よお、目覚めたか。」
楽しそうにバルフレアが耳元で笑って言った。
「もう、これ何だよ。手ほどいてよ!」
ヴァンが、自分のあられもない姿に焦って言うと、ますます楽しそうに笑いながらバルフレアは首を振った。
「ダメだ。昨日一日お前一人で楽しんだんだから、今日は俺を楽しませろよ。」
そう言いながら、ゆっくりと唇を首筋に這わせ、ヴァンの弱い耳の後ろを舐め上げる。
「あ・・・、ん・・・だからって、こ、んな・・・あ・・・!」
何か言おうとしても、バルフレアの巧みな愛撫に、ヴァンは息も絶え絶えになってしまう。いいように身体の熱を煽られて、もう完全にバルフレアのペースだった。
「まずは、バーフォンハイムで『おいた』をしてないか調べないとな。」
意地悪く囁かれ、ヴァンの頬が羞恥で燃える。
「バカッ!そんなこと・・・、あるわけ・・・ンッ・・・」
バルフレアから与えられる甘い刺激に耐えながら、ヴァンは潤んだ瞳で男を睨みつけた。だが、それは却って男を煽るだけだった。
「誰にも触らせたりしてないだろうな?」
しなやかな指を胸に這わせながら、バルフレアはヴァンの耳元に低く囁いた。
その声音にゾクリと慄きながら、ヴァンはバルフレアの怒りの大きさを感じていた。



今朝―――正確に言うと昨日の朝、バルフレアが目覚めたのは、もう昼が近い時間だった。
当然ヴァンが隣に眠っている訳もなく、既に出掛けたとフランから聞いた時も、仕方ないと思った。
行き先のバーフォンハイムについても、別に嫌な気はしなかった。レダスのことは、正直好きではないが、その人となりについては一目置いていた。
酷い二日酔いもあって、相手できない自分に代わってヴァンが休日を楽しめるなら、それでいいと思っていたのだ。


その様相が一変したのは、夕方シュトラールの整備に飛空艇ターミナルに出掛けた時だった。
バルフレアは、ロビーで飛空艇のパンフレットを持つ人々とすれ違った。その中に、昨日飲み比べをした知り合いの空賊の顔があった。
「よお、体調はどうだ?」
お互い苦笑いで挨拶する。
「昼過ぎまでダウンだ。せっかくのバーフォンハイムの品評会・・・・半分見逃したぜ。」
相手は、まだ青白い顔を顰めたが、ふと思い出したように言った。
「そう言えば、あっちでお前のツレの金髪の坊や見たぜ。」
「ああ、ちょっとレダスと知り合いでな。誘われて行ったんだ。」
「へえ、そうだったのか。随分とあのレダスが世話焼いていたからな、てっきり隠し子か稚児かって噂になってたぜ。」
バルフレアは自分でも、さっと顔色が変わるのがわかった。
それに気付き、相手も慌てて手を振って言った。
「噂だぜ、噂!バーフォンハイムは柄が悪いからな、すぐに下世話な噂をするのさ。あの坊やも可愛い顔してるしな。」
その言葉に、バルフレアの眉間のしわが一段と深くなった。


またアイツは、無邪気に明るい笑顔を振りまいていたに違いない。
ヴァンが特別、男受けする訳ではないが、人目を惹く存在なのだ。だから、日頃レダスに押さえられて不満が溜まっている奴らが、それを見て面白ろおかしく噂したのだろう。

(よりによって、ヴァンがレダスの稚児だと・・・!)

そんな下卑た想像にヴァンが使われることさえ、腹立たしかった。
そしてその怒りは、当然原因を作ったヴァンに向かって行くことになった。


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