四の篭(拍手、イベント)

□Happy Halloween!
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なせ、バカやろー!」

突然聞こえたその言葉に、ヴァンはぴたりと手の動きを止めた。
ここは、閉店間際のスーパーの野菜売り場。
アルバイトのヴァンは、明日から10月になるため、野菜売り場の一角にかぼちゃを積み上げ、ハロウィンの飾りつけをしていたのだ。
だが、手にした”かぼちゃ”がしゃべった・・・ような気がする。
「はなせ、バカやろー!」と。
恐る恐るヴァンは、手の中の小ぶりなかぼちゃに話しかけた。
「今、なんか言った?」
なんでかぼちゃに話かけてんだとか、最近オレ働きすぎで疲れてんのかな〜とか、色々思わないではなかったが、取り合えず話しかけてみた。
すると、かぼちゃはブルンと揺れた。
「おお!やっぱりお前には聞こえるんだな!」
そう言って、かぼちゃは嬉しそうにヴァンの手の中でコトコト動いた。
「な、な、なにコレ?」
手のひらの上のかぼちゃにヴァンは、目を丸くして言った。
「なにって、かぼちゃに決まってんだろ。バーカ。」
そう言うと、かぼちゃはまたブルンと揺れた。そして、偉そうに付け加えた。
「まあ、いい。俺様はお前みたいなバカが付くほどのお人よしで、単純なヤツを待ってたんだ。今日からお前は俺様の家来だ。いいな?」
「ええ〜?!」


これが、ヴァンと不思議なかぼちゃとの出会いだった。


→「ロ」へ続く
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