書棚

□三話.小食と耐水包帯
2ページ/7ページ


最初はいい変化と思ったけど、なんか行きすぎそう。
まぁ流は頭の出来がよすぎるからパソコンで在宅ワークすれば家から出ずに帯人と暮らせるだろうけど。
そこまで考えて、帯人がヤンデレ発揮したら流は迷わずそうするんだろうな、と思った。
今日拾ったばかりなのに、妙に確信めいて、そう思った。
「……あにー呼んでくるね」
暗い考えを頭から押し出すように言って、階段を上がる。
私の部屋の前を通り過ぎて流の部屋。
一応ノックをしてドアを開ける。
「あにー夕飯……」
出来た、まで言えなかった。
無駄に大きいソファに座った流、の膝に座って抱きついた帯人。
さっき着せた流のシャツが体格差の所為か半端にずり落ちて、帯人の白すぎる肌が見える。
ゆっくりと私のほうへ顔を向け、首を傾げた帯人。
真っすぐに戸惑いをぶつける紫の瞳は儚くて綺麗だった。
「……だぁれ?」
「妹の麗。やっぱりさっきわかってなかったろ」
「ごめんなさい、マスターしか見てなかったです」
私物凄い邪魔じゃない。
誰か助けて。
「麗、夕飯出来たって?」
「え、うん」
向こうから振ってくれたのは助かったけど、居心地は悪いから先にリビングに戻る。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ