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□三話.小食と耐水包帯
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末っ子とはいえ私だってバイトが無ければ家事くらい手伝う。
まぁほとんど我が家の百合ップルがやっちゃうけど。
「マスター葱とってください」
「ダメ。さっき一本使ったじゃない、葱は薬味として使いなさい」
家計簿見て驚いた、葱費って、何。
「ねぇマスター、リンほしいものが……」
「ロードローラー以外なら聞くよ」
家計簿見て呆れた、ロードローラー積み立て金って、何。
「で、妙に味噌汁が多く見えるんだけど。ていうか見ようによっては朝食っぽいよね。焼き鮭に味噌汁ってさ」
我が家はみんな、朝食パン派だけど。
「だってお味噌汁無いと葱が……」
「葱が無きゃ死ぬんか!」
「死ぬよ!」
「死ぬの!?」
漫才になった辺りでちょっと気付いた。
「帯人って食べれないモノあるかな」
ボーカロイドは好きなモノこそデフォルトだけど、成長する毎に嫌いなモノや性格の違いが出てくる。
ブルーベリー無いし、どうしよう。
「流くんが食べさせたら食べるでしょ」
いつのまにかリビングに入ってきた蘭。
本当に気配無いなぁ。
「まぁあのあにーなら言わなくても食べさせるだろうね。ていうかあにーのがベタ惚れじゃない」
普段無口で執着心の無い流があんなに帯人を気にするなんて。




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