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□夏の音
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ー臨帝
チリンチリン、と少年の部屋に風鈴の音が響く。
「風流だねぇ」
「なんですか突然」
ずっと黙っていたのにいきなりそんなことを言い出した臨也に、汗だくになりながらパソコンに向かっていた帝人は振り返って聞いた。
「今まで静かだったのに」
「帝人君暑そうだね」
「臨也さんが扇風機の前からいなくなれば少しは暑くなくなるんですけどね」
「あっはは、それは無理」
「暑いの耐えられないなら帰ればいいじゃないですか」
「それも無理。もちろん理由は帝人君のそばにいたいからだよ!」
「…」
臨也の恥ずかしいセリフに言葉を返すのがめんどくさくなって帝人はまたパソコンに向き直す。
そんなことは気にせずに臨也は話を続けた。
「あの風鈴どうしたの?前来たときはなかったよね」
「実家から送られてきたんですよ。せっかくなんで飾ってみました」
へぇ、と臨也は風鈴を見る。風鈴はわずかな風が吹いただけで音を鳴らした。
「夜とか結構響かない?あれ」
「きれいな音なんであまり気にならないですよ。それに僕、あまり静かだと眠れない方なんでちょうどいいです」
「へーそうなんだ?
なんなら静かにならないように俺が帝人君と添い寝して耳元で愛を囁いてあげようか?」
「余計に眠れなくなりそうですね。遠慮しておきます」
太郎さんのいけずぅ、と臨也がからかいを帝人は華麗にスルーして、「でも…」と言葉を続ける。
「寝る前に臨也さんと話してれば、疲れてそのまま寝れちゃいそうですね」
「…」
パソコンに目を向けたままそう言った少年に臨也はガバァッと抱きついた。
「…っ、うわぁ、暑苦しいです」
「それは寝るときにそばにいてほしいってことですかねー帝人君?」
「…電話でもいいんですよ」
腕の中の少年の顔がみるみる赤くなる。それは暑さの所為ではないことは明らかで、その反応が可愛すぎて臨也は抱き締める力を強めた。
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ちょいと中途半端ですが、夏っぽいもの書いてみました。これは、ほのぼの?甘?ですかね