プラマイ!
□トリップしてきた編
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「リア充爆発しろ!」
「つうかあのカップル邪魔」
聖なる日の前夜。
つまりクリスマスイヴなんだけど。あたしと翔くんは浮かれるカップル達が蔓延る池袋をふらついていた。
今の今まで帝人と正臣と杏里ちゃんと露西亜寿司でクリスマスパーティーを楽しんでいて、ついさっき解散したばかり。まだ口の中に最後に食べた大トロと穴子の握りの味が残っている。
「さっ、むい!あーあ。制服着て来なきゃよかった」
「制服じゃなくても寒いって言うだろ絶対」
「まあね。女の子は体冷やしちゃいけないからね」
「あ、そう」
興味が無いと返事をして翔くんはコンビニに入る。
慌ててあたしも翔くんの背中を追う。
「お腹空いた」
「あんなにお寿司食べたのに?」
「うん」
「さすが成長期だねぇ」
「まあね。すいません、あんまんとピザまんとチキンで」
「あと、これも」
「お会計はご一緒にしても宜しいですか?」
「はい」
「海咲の奢り?」
「うん」
「露西亜寿司でも奢ったのに?」
「うん。露西亜寿司のお会計、臨也名義のツケにしたから」
「ちょ。まさかの臨也有効活用」
臨也へのクリスマスプレゼントはあたし達が露西亜寿司で食事した領収書の押し付け。
まあ払ってくれるかわかんないけど一番ナイスなプレゼントだと思う。
まだ領収書はあったりするけど。
会計が終わってコンビニを出て紙パックのジュースを飲む。
今年はクリスマス寒波が来ると天気予報で見た。
なのに制服ってバカなことしたな。
そうこうしてる内に自宅マンションに辿り着く。
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