プラマイ!

□割り切れない生活編
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とある世界の春。
桜の散る公園で一人の少年が佇んでいた。
ソメイヨシノを眺めながら首から下がるネックレスを握り締める。









「父さん…」




握り締めたネックレスに刻まれているのは彼の父親の名前。
ただ、かなり年季の入ったネックレスなので刻まれた文字は消え掛けている。
















「……今、アンタはどんな世界を見てるんですか?」





ぽつりと呟き目を閉じる。
彼の父親は様々な場所へ旅している人間だと誰かから聞いた。
あまり一つの場所に長くは留まらない。そんな父親が珍しく10年以上もこの街に居た。

それは何故か。
父親が居なくなったこの街で少年は答えを探すために走り出した。





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