10/20の日記

20:43
花蘇芳 7
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突然のアタックから既に日も変わり、未だ反乱分子からの連絡はない、勿論アラシヤマからの連絡も…



「シンタロー、気が進まないのは解るが、顔に出すのは止めろ。」
「ん、あぁ。」
「今の状況を忘れるな。もし不満を顔に出したりしていれば幹部の堅物が黙っていないだろう。いいか、お前を叩く材料を探しているアイツラの前に不満そうな顔をして出るなど…」
「わかったっての!」



親父の代から居る古参の幹部達に、現状の説明及びこれからどうするかを話さなければならない。とはいえ、親父と比べてあーだこーだ口煩くて仕方ない。



「〜アタックを仕掛けてきた愚か者達からの要求は無いという事ですね?」
「クーデターを許すなんて…。」
「此方から連絡してみてはどうか?」
「向こうからの要求は愚か、一切の連絡すらつきません。」
「此れだから嫌だったんだ!」
「はい?」
「さっさと切るべきだった。」
「私は最初から反対だったんだ。」



やはりこうなるか…。
一番避けたかったとはいえ、俺とコイツらの間に入ってくれてた彼奴は目の上のたん瘤だった訳で…


「何の話だか、解りかねますが?」
「ですから!貴方の直属だった特戦の弟子の事です!!」
「特戦が団を離脱した際に一緒に抜けさせるべきだったんだ!」
「(やめろ…)」
「特戦とは家族同然だったのでしょう?団から離れた彼等の事で恨んでいたんじゃないんですかね?」
「(彼奴はそんな奴じゃない!彼奴がどれ程悩んで苦しんでいたかわかりもしねぇ癖に!!)」
「大体初めから気に食わなかったんです。人を小馬鹿にしたような言動で、何度私たちが迷惑した事か。」
「(彼奴は俺の代わりに動いてただけだろ!)」
「そもそも、人間性に問題があるんですよ。」



ガタッ



「(シンタロー、気持ちは解るが今は抑えろ!)」
「ぅぐ…」



そのくらい言われなくても分かってる。分かってはいるんだ…。



「どうされました?」
「いえ、例え当人が居ないとはいえ、そのような物言いはどうかと思いまして…。」
「シンタロー!」
「裏切者に何と言おうと構わないでしょう?それとも、何か肩入れする理由でも御有りか?」
「有るね。」
「!?」
「例え裏切者だとしても、言って良い事と悪ぃ事があんだよ!」
「シンタロー!!」
「それに彼奴はまだ俺の部下だ!!」
「…分かりました。あの特戦の弟子は貴方の部下という事で、彼の責任及び処遇はシンタロー様に一任されるという事で受け取っておきましょう。」
「序でに彼奴は『特戦の弟子』じゃなくて『アラシヤマ』っつー一個人だ。」
「…そうですか。それでは失礼致します。」




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