09/16の日記
12:54
花蘇芳 3
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「優しい?」
「アラシヤマはお前達を制圧しに来たんだろ?」
「うん…でも、最後に会った時は優しいあーちゃんだったと思う。」
「何があったのか教えてくれ。」
グンマは、でも何処か悲しそうな感じだった、と言った。
総帥及び幹部衆も不在な日
警備も交代前で気だるさの残る夕方
クーデターが起きたのはそんな時間。
唐突に鳴り響く警告音。
待てども、状況を知らせる物も、周りの喧騒も聞こえない。
ガタン
「アラシヤマ!?」
「グンマはん…それと、あんたはんの部下、だけどすか?」
「うん、そだよ。それより今の警報何!?」
「反乱が起きたんどす。あ、クーデター言うた方が分かりはる?」
「クーデター!?」
はっきり言って、馬鹿みたいだと思った。
いくらシンちゃんやミヤギにコージにトットリが出てるとしても、アラシヤマに勝てる訳無いし、勝てないとしても皆が帰ってくる方が早そうだと思ったから。
「もう皆避難しましたさかい、後はあんた達だけどす。」
「避難って!?」
「ドクターんトコの医務室に行きなはれ!」
「特別研究室?」
「そうどす。部下連れて先導して行ったって!」
「アラシヤマは!?」
「わては残りが居らんか見て行きます。」
アラシヤマは僕らが研究室に着く少し前に追い付いてきた。
「ここに来たは良いけど、これからどうするの?」
「此れを使うんどす。」
そう言って非常梯子の準備をしてくれた。滑り台タイプの安全性の高い奴。
「先に何人か降ろして、それから使うそうな荷物やら、持ち運べる機械に、怪我人のための医療品とか降ろしなはれ。」
「うん、分かった。」
アラシヤマの言う通りに先に降ろした子に医療品、医薬品、無くしたら困りそうな書類とかを先に降ろしたの。
「他には…」
「ほな次は、この子達降ろしてもらいまひょか?」
アラシヤマが引いたカーテンの裏に居たのは、気絶してると思われる団員達。
「逃げてくれへんかったさかい…寝て貰いましたんぇ。」
「な…何で…?」
「時間もないし、しゃあないやろ?」
「時間もないって、いったい何なの?まだ敵も来てないし、だいたい皆して逃げるなんてオカシイよ!」
僕があんまりにも声を荒げちゃったから、アラシヤマの指示で動いてた子達も皆此方に注目させちゃったの…
「…取り合えず、今は言う事聞きや。」
「嫌だ!何で相手の事答えてくれないの?人数は?規模は?どんな人たちなの?ねぇ!?」
「ハァ…人数はざっくり50ってとこやろか。規模は弱小組織並やけど統率力やらなんやら裏で手ぇ回せるようなんが居ります。それに…もうこん中に入っとりますぇ?」
「ぇ…?」
「反逆者はわてやの。」
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