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□五
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ロッドが帰った後、アラシヤマと私の間には可笑しな空気が広がっていた。
コレに私が食べさせろと言うのだろうか?
少し考えた後、アラシヤマがスプーンに手を伸ばす。
「待て。」
「!」
「残りも少ないのに散らかされては迷惑だ。」
言い方が不味かったのだろうか、アラシヤマは手を引っ込めて空いた皿を重ね始めた。
「片せと言った訳ではない。」
「?」
「……私が食わせてやる。大人しく口を開け。」
今度は誤解の無いよう、極力優しく告げてみる。アラシヤマは驚いた様子だったが直ぐに口を開いた。
「…入れるぞ。よし、口を閉じろ。」
離乳食に近いとはいえ、きちんと咀嚼しているようだ。飲み込むのを確認して再び口に運ぶ。
「此れでは完全に雛の餌やりだな…」
ゴホッ
少しペースが早かったのか噎せだしたので背中を擦ってやる。
やはり子供とは面倒なものだ。
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