■□ LONG □■

□四
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「ふ〜へ〜ほ〜、ま〜」

「トントン」

「次は『ま』だね。」

「コクン」

「じゃあ、次は…」

「フルフル」

「首振ってばってん出すって事は、『ま』でお終い?」

「コクン」



どうやらやっと終えたらしい。一文字づつ示させるのだから時間が掛かるのは当然とはいえ、グンマ様もよく最後まで投げ出さなかったものだ。



「えっと…君が選んだのは『あ・ら・し・や・ま』。って事は、君の名前は『あらしやま』?」

「コクン」

「本当?じゃあ、アラシヤマだから『あーちゃん』だね。」

「?」

「ヨロシクね、あーちゃん♪」



そういって自分の手を取り笑うグンマ様に多少慣れてきたのだろうか、今度は後ずさる事もなく手を取り返した。



「どうやらあの子供は、グンマ様に敵意が無い事を察したようだな。」

「みたいだね。」



クイクイ

気が付くとグンマ様が足元で裾を引いていた。



「如何致しましたか?」

「子供じゃなくてあーちゃんだよ。」

「何の…?あぁ、あの子供の名ですね。」

「子供じゃなくてアラシヤマだってば!」

「…アラシヤマ。」



私の声に反応して子供が寄ってきた。



「貴様はアラシヤマと言うのだな?」

「コクン」

「分かった、覚えておこう。」



僅かながら口角が上がったように見えた。表情は変わらないのに微笑んだような気がした。



to be continue…

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