■□ LONG □■
□四
2ページ/3ページ
逃げても追われ、挙げ句の果てに手を取られて暴走したと言うところか…
「だから、悪いのはこの子じゃなくて僕の方なの!」
「そうですか……スミマセンね。よく確認もしないで叱りつけたりして。」
首を振っているという事は恐らく『気にするな』と言う意思表示なのだろう。
「ねぇ、高松。この子のお名前は?」
「申し訳ありません、グンマ様。彼は理由は解りませんが話せないのです。」
「え?でも、話通じてるよね?」
「此方の言葉は理解出来るようですが、口をきけないようです。」
「それなら簡単♪」
グンマ様はそう言うと、再び子供の前に向き直り自己紹介をした。今度は子供も暴れることなく会釈を返した。
「君、自分のお名前わかる?」
「コクン」
「それじゃあ、『あ』から『ん』まで言ってくから、名前に使う順番に教えてね?」
「…コクン」
「あ〜」
「トントン」
「君の名前、最初は『あ』?」
「コクン」
「じゃあ次ね、あ〜い〜……」
どうやらグンマ様は、子供の名前を一文字づつ当てていくつもりらしい。全くよくやるものだ…
****************************