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□一
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翌朝、報告書を提出に出掛けようとしたが、子供は目を覚ます気配はない。一先ず自室のベッドに寝かせたまま家を開けることにした。
「子供!?」
「はい。」
隊長には任務報告の他に子供について報告をした。
任務内容はあの一団に居る人間の排除と捕らわれた生物の解放だったため、捕らわれている人間の処遇が不確かだったからだ。
「拾ったってお前…」
「アレも処分すべきでしたか?」
「んな訳ねぇだろ…それで、どうすんだよ?」
「拾ってしまったからには火の使い方くらいは教えようと思います。」
「お前が育てるっつー事か?」
「不本意ですがそのつもりです。」
拾ってしまったからには責任を持って育てねばならないとは思っていたが、改めて口にすると気が滅入ってくる…
「そうか…ソイツは今何してんだ?」
「家を出た時にはまだ起きていませんでした。」
「…分かった。育てるって決めてんなら基本はソイツの傍に居てやっていいぜ。用事があったら呼び出すなり押し掛けるなりするからよ!」
「恐れ入ります。」
隊長なりに気を使って下さったのだろう…実際に押し掛けられては面倒だが、自宅待機出来るのは楽で仕方がない。
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