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□一
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緋衣草


つい先日任務先で子供を拾った。

私と同じく炎を躰に宿している。何故拾ったのかは分からない、実に不可思議だ。


連れて帰る際素足で山道を歩かせてしまった事に気付き、抱かえて帰ることにしたが重さを感じない程軽かった。


あまりにも薄汚れていたので眠っている子供を風呂に入れる事にした。



「予見はしていたものの…」



服の下は傷や痣で埋め尽くされていた。顔にもうっすらと傷が見受けられた。


風呂から上がって初めて子供に着せる物が無い事に気が付いた。子供が着ていたものは染みや汚れ、解れが目立った。



恐らく自分の髪で繕ったのであろう継ぎ接ぎだらけだったため、捨ててしまおうかと思ったが着替えを用意するまで着せておくために洗ってしまった。


代わりになるようなサイズの物がなかったので、私のシャツを着せることにした。小柄な子供なので特に大きいわけでもないシャツが足元までの丈になった。


見映えが悪いので子供の着ていた着物のようにズボンの紐で腰辺りを留めてやる。




その間子供は一度も目を覚まさなかった。



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