■□ LONG □■

□ 弐
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何やら嫌な感じの風が吹いている。鳥達も騒がしい。



「何ぞありましたんやろか?」




朔日草 弐





もう陽も高く上がっていると言うのに旦那はんもお母はんも顔を見せに来ない。こんな事は今まで一度もなかった。



「お母はぁん?」

「旦那はぁん?」

「……居らへんの…?」



扉の前まで行って呼んでみるが返事がない。



「お買いもんやろか……?」



買い物に出るにも自分に声を掛けずに行った事など無かったのに。


初めての事に戸惑いながらも、いつもは母とやる掃除をして待つ事にした。



高い所には手が届かないが、それ以外は塵一つ無いくらい綺麗にした。



上の様子を見に、扉を開けてみようかと思ったが止めた。


扉を開ける時は二人が居る時のみ、そう約束したからだ。

その代わり、二人が戻ってきたら自分で掃除出来たのだと伝えよう驚いてくれるだろうか?何と言うだろう?……褒めてくれるだろうか?


其れを楽しみに大人しく待つ事にした。






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