■□NOVEL□■
□不思議の国の眠り姫
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「シンタロー、新しいお友達だよ?」
「お、お初お目にかかりますシンタロー様…!」
不思議の国の眠り姫
そう言ってやってきたのは他のと同じ黒髪黒眼の東洋人。見るからにおぼっちゃまといった風体の、幼さの残る少年だった。
きっとコイツもすぐに居なくなるだろう…
「……」
『これから暫くの間ですが、宜しくお願いします』
そう言った彼奴は、予想通りその翌日居なくなった。
しょっちゅういろんな奴が来て居なくなっていく。少しの前に来た奴は長くて一週間ばかり居た。気さくな奴だったから仲良く遊んだりもした。
移動はいつも別行動で、もう居ないと聞いた日に耳にした『影』という呼称。妙に気になって調べて知ったんだ。
居なくなった彼奴達はみんな、
オレの身代わりに殺されたのだと…。
親父に言っても止めてはくれなかった。きっと俺の所為で死ぬ奴は此れからも出て来ると言う事…
だから、せめて仲良くならない事にした。関わらなければ、居なくなった時に申し訳なく思う事も少なくなる。それも全て俺のエゴだと知りつつも止めることが出来なかった。
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