■□NOVEL□■

□招待状
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「あぅ…」

「…で?」

「おま、まつ、みみみんなで…」

「聞こえませーん。」




招待状





さて、同じ会話を何度繰り返しただろうか?


事の始まりは3時間前。珍しい程に仕事が早く片付いた所に此れはやって来た。例によって嘘臭い愛想を振り撒いてきたのでガンマ砲で応対したが、『お約束(アラシヤマ談)』とは異なり、軽く相殺された。まともに此方を見据えてくるので何事かと思ったが、突如背を向けて一言。



「今から忍者はん達誘うて、一緒にお祭り行きまへんか?」



真面目な話かと思ったのに『背を向けてのお誘い』

思わず眉を潜めると、それを察知したらしくワタワタと弁護染みた説得をしてくる…が後ろ姿だからか、如来像みたいに手だけがアチコチから見えてきた。



「もう、今日やらなあかん仕事は終わりましたやろ?それやったら、ちょうど近場でやっとる祭りが始まる頃やし、一緒に…」



言ってる事は正しいし、突然空いた時間に予定などある訳がない。だが、あまり素直に従うのも癪だ。


「…おい。」

「へ、へぇ?」

「何で此方向かねぇの?」

「そ、それは…ちゃんと誘いとぅ…」



言いごもり、モゾモゾし始めた。



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