■□NOVEL□■
□松葉牡丹
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師匠達と海に入ってみたり、波や岩場に居る蟹はんを眺めたりしとった。
「…はれ?此所は…何処どっしゃろ?」
見渡す限りに広がる海、岩場に森?
「お父はぁん…お兄はぁん…」
周りにはさっきまで居た筈の家族が誰も居らへん…
「ふぇ…ししょ…し〜しょ〜〜!!」
呼んでも返事が返ってきぃひん。
どうやら、わてはまた、迷子んなってもうたみたいや。
「…ここで待っといたらえぇんかなぁ?」
わては不思議とよう迷子になるさかい、迷子んなった時は気ぃ付いたとこから動いたらあかんて言われとるんどす。
「 」
「?」
「 」
何やろ…?
誰か呼んではる?
「あの森やろか?」
フラりと声の呼ぶ方に向かう内に、海の側やのに大きゅう育っとる森ん中に足を踏み入れてしもうた…
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