■□NOVEL□■

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恐らく上官であろうオッサンに同僚が難癖を付けられていたようだ。それも一方的に。



「見ちゃったからにはしょうがない、か…。」



他の隊と比べて圧倒的に少ない同僚を見て見ぬ振りする訳にも行かず、平静を装って声を掛ける事にした。



「おい、どうした?」

「あ!いや、その…。」

「何?」

「いやぁ、彼の部隊長の話をしていたんだよ!彼はあの男の部下だと耳にしたものでね…。君もそうかな?」

「そうですけど。」



話しっぷりからして完全なる嫌がらせのようだが、イチイチ気に障る。


あの人の以前の仕事内容に始まり、人格否定、聞くに堪えないような暴言まで飛び出す始末。



「〜そもそも、あのヒトをヒトとも思わないようなあの冷めた眼。ヒトを小馬鹿にしたような口調も堪ったもんじゃない!それに…」

「(あぁ、煩い。まだ続くのか…)」

「それに、聞いたところによると、アイツはあの野蛮人供の身内らしいじゃないか!わざわざ方針まで変えたってのに、離団した奴等の息のかかった人間を手元に置くなんて…。」

「野蛮人って?」

「あぁ、お前等は知らないのか、特戦だよ、あの粗暴な特戦部隊。どうやら彼は、あそこの出身らしくてね。道理で野蛮で冷酷だと思ったよ。」



特戦出身か…道理であの強さな訳か。ここに入る前に散々あの人達に揉まれてるって事ね…。



「総帥も、いくらアイツが自分の金魚の糞だとしても、とてもじゃないがありえないだろう?あんな破壊しか興味の無い、ろくに仕事も出来ない、協調性の欠片も無いような奴に部隊を持たせるなんてどうかしてるとしか思えない!!」



金魚の糞、ね…確かにそう見えない事もないけど…



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