■□NOVEL□■

□W
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納得がいかない。

世界は理不尽に溢れてる。一例にして、形式上上司にあたるこの男。何故この男が『隊長』なのだろう、しかも『総帥直属』と言う付加価値まで携えて…。




上官のすゝめ W




初めは今までで配属された事の一番多い『横暴』なだけの上司かと思った。横暴なだけで仕事も出来ないくせに偉ぶっているだけの男かと。



彼の仕事量は俺達よりも明らかに多い。決して簡単な物ではないにも拘らず、こなす速さも正確さも格段に上だと云わざるをえない。
時折奇怪な言動をとる姿を見かけるが、勤務中の『隊長』としての資質は十二分にあるだろう。



「ほな、おくたぶれさんどした。もうあがってえぇどすぇ。」

「アンタは?」

「わてはまだ仕事ありますさかい、まだ居りますぇ?」

「その山も、全部今日中?」

「そうどす。」

「だったら俺も…」

「これはウチの仕事と違うし、わてん事は気にせんと早ぅ帰りなはれ。」



結局いつも此れだ。毎日のように総帥から押し付けられた仕事や他の部署から持ってきた書類に追われて残業、手を貸そうにもこの有様。お陰様でこちとら大抵の書類整理は出来るようになりましたとも。



「…んだよ面倒くせぇな。」



外に出るのも面倒だからと食堂で飯食おうと思ったのが間違いだった。



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