■□NOVEL□■

□鏡写しのライラック
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ひらりひらりと舞い散る火の粉は赤い雪みたいだった。





鏡写しのライラック





「総帥、此方の書類もお願いします。」

「やっと片付いたってのに…」

「私共には処理しかねますので。」



そう言って洋菓子な秘書に手渡されたのはシワだらけな書類の束。



「…あの野郎。」



他の書類との大きな違いは一つ。全てが達筆な筆で書き上げられている点だろう。



「ミヤギ!てめぇ、何べんいやぁわかんだよ!」

「シンタロー。オメ、人ん事呼びつけて、何そったら怒ってんだ?」

「書類書くのに筆使うなって言ってんだろうが!」

「なんだ、そっだことけ。そんなら、滲んでねぇし、枠にも入ってっからいいでねぇが?」

「そう言う問題じゃねぇ!!しかも当て字ばっかで、検討違いな事も書いてあるし…」

「それはアラシヤマが悪ぃんだべ。」

「は?何でここでアラシヤマが出てくんだ?」



アラシヤマは特殊攻撃部隊で、ミヤギは第三部隊、仕事の内容も違う筈だし関係ねぇだろ…?



「オラが何処さ探してもみつかんねくて…アラシヤマが居ねぇから悪ぃんだべ!」

「どうゆう意味だ?」

「シンタローんとこさ提出する前に、いっぺんアラシヤマが目ぇ通す事になってんだべ!」

「何だってそんな効率の悪い…」

「長期で団を空ける際にアラシヤマさんを代理になさいましたよね?その時の書類が不備だらけだったようで…」



見兼ねた彼奴がチェックする事にしたと…



「道理で彼奴が顔出す頻度が多いと思った…」



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