■□NOVEL□■

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グンマと高松が学会で居ないとはいえ、研究すべき物が無くなる訳ではない。



「…ん、メールか。」



放置した携帯には、着信を告げる赤いランプが点灯していた。





明日は昨日の風が吹く 3




「何だ此れは…。」



ディスプレイに映るのは、一切の変換を取り払ったような文章。差出人は言わずと知れた己の半身だった男。



「…全て平仮名というのも見辛い物だな。句読点があるだけましか。」



イマイチ内容は理解出来なかったが、呼ばれているだろう事は解った。


辺りを適当に片付け、総帥室へと向かう。



「…着信の数からして、何かトラブルでも発生したようだな。」



エレベーターを使い、最上階にある総帥室へと辿り着いたはいいが…嫌な予感がする。本能が入るなと告げている。



「   」

「子供の声?」



こんな場所に似つかわしくない声に、ついうっかりと扉を開いてしまった。



「一体、何の騒ぎだ!」

「キンタロー!」



部屋に主の姿は無く、変わりに四人の子供が居た。内の一人が寄ってくる。



「キンタロー、遅すぎだって。連絡入れたのに、何時まで待たせんだよ?」



黒髪の少年はヤケにフレンドリーな様だ。何処かで見た事がある気がするが解らない。



「何を言っている?大体シンタローは何処だ!?」



良く見れば、他の子供達も見た事がありそうな顔立ちをしている…


「シンタローなら此所に居るけんのぉ。」



入る際に感じた嫌な予感が…



「まさか…。」

「俺がシンタローだけど?」



やはり入るべきではなかったか…


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