■□NOVEL□■

□法螺吹き日和
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やべぇ、こう言う言い回ししたら…



「…そうどすな。シンタローはんのプライバシーやし?わてにはなんの関係もあらへんのやね。余計な事言うてすんまへんなぁ。」



コイツはこう言った言い回しが嫌いだと知っていた筈なのに。



「他国からの文書なんぞ、例えグリーティングカードやとしても詮索したらあかんラインどした。そないな分別も付かへんなんて、わて、最悪どすな。」


(アレ、何とかするっちゃよ!)
(変なスイッチ入ってっぺ!)
(シンタローがあんな事言うから本気で機嫌悪くなったんだっちゃ…)
(俺の性為かよ!大体あの位ならトットリだって…)
(僕だって地雷は避けて喧嘩してるっちゃ!)



「…これ、落とし物どすぇ。」
「へ…!?」


何であの写真がアラシヤマの手に有るんだよ!



「さっき仕舞い込んだ封筒から降ってきましたぇ?」
「いや、その…」



口ごもる俺を冷たく一瞥し、写真をクルリと裏返す。

予想を裏切らずに写真を凝視したまんまフリーズしちまった…



「…アラシヤマ?」



返事がない。



「アラ…」
「嫌どすなぁ〜、シンタローはんたら隠すなんて水くさい。こないな写真でわてが騒ぐとでも思ぅたん?」
「へ?」



さっきまでの不機嫌さは何処へやら、酷く楽しそうに笑ってやがる。機嫌の悪さを隠しているんでも、営業スマイルをかましてる訳でもなさそうだった。



「…もし、もしそれが彼女だっつってもか?」
「ほんま?お赤飯でも炊いたりまひょか?」



罵声やら嫌味を覚悟してただけに拍子抜けと言うか…


軽く…ショックかも知れない。



「大体、シンタローはんが女子はんと写っとる写真見たからってどないしてわてが騒ぎますのん?」
「だってその写真、シンタローに…」
「あぁ、ほっぺちゅー。そんなん…」
「オメには通じねと思ったんだべ。」
「女子はんやあるまいし…」




女じゃなくても浮気だなんだの騒ぐなり怒るなりするかと思ったんだけど?



「お前の事だから騒ぐか、静かに攻め立てるかすると思ったっちゃ。」
「それか、三行半突き付けるとかしそうだべ!」



本気でやりかねねぇから、刺激すんなっ!!



「あぁ、そうどした。忘れとりましたゎ。」
「ん…そういや話があるんだっけか?」
「三行半で思い出したんやけど、」


普通に三行半で思い出すとか、宜しいものじゃねぇだろ…



「わて、結婚するんよ。」



ほらみろ…結婚するだろ?ろくでもな…



「「「結婚〜!?」」」
「へぇ。」



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