■□NOVEL□■

□U
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「いい加減にすれば?ピーチクパーチク餓鬼じゃあるまいし。」



わてに一番近い席に着いとる者やった。シンタローはんに釘刺されながら引き取って、副長に据えた奴やな…



「氷室っちゅうた?えらいおおきに。聞き取れへんようやったら唸り飛ばそう思うてましたんぇ?」

「名簿を見なくても、顔と名前は把握済みか…。アンタは隊長なんだから、待つ必要はない。さっさと言えばいいだろう。」

「すんまへんなぁ、今回の通達で隊長なったばっかやから多目に見たっておくれやす。」



いきなし唸り飛ばすんは横暴すぎるかと思うてたけど、そんなでもないんやろか?

わてが少し考えとる間に意見を纏めてくれはったらしい…



「…雑派に言うと、簡単な任務なら指示さえして貰えばやった事あるってさ。」

「っちゅう事は、事務作業は…」

「経験無しですが。」

「ほな、書類の書き方から教えまひょ。」



事務関係がからっきしだとは…。先ずは各種書類の書き方から教えることにしよう。



「書類の書き方?いきなりですか?」

「いきなして…」

「飲み会はやらないの?」

「そんなん!勤務時間が終わってからでえぇんちゃいますのん?、」



飲み会…なして勤務時間内にやろうと思うたんか分からへんわぁ…


「…そうかもな。なら早く教えなよ。」

「言われんでも。何がえぇやろ…」



新しい配属先での最初の仕事として、書類の書き方からダメ出しをした。一応メモも録らせてみたが、其れも確認すべきだっただろうか…?



「まぁ、こんなんでえぇやろ。」

「…何でこの書類を選んだんだ?」



そう言って氷室が持ってきたのは、完成された退職願とリコール届けやった。



「直ぐに必要になるとしたらこれやろ?」

「団を辞めろと?」

「ちゃいます。ソッチは保険どす。わても何時でも責任取れるように持っとりますぇ。其れ持っとると少ぅし気ぃが引き締まりますぇ。」

「…それじゃ、此方は早速俺等の隊長は辞めたいって事?」

「わては辞める気ぃありまへん。せやさかい、付き合いきれんと思うたらあんさん等が総帥ントコに出しに行きなはれ。無理させる気ぃはありまへん。」

「…無理、する気はあるって事?」

「さぁ、好きにとってくれて構いまへんぇ。」



書類に関しては書き方、纏め方、処理、提出に至るまで一通り教えていたら就業時間まで後僅かになっていた。



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