■□NOVEL□■
□明日は昨日の風が吹く
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「…!!」
「なんだぎゃ?」
「どうしたっちゃ、シンタ…ロー?」
「俺が聞きてぇよ……。」
明日の風は昨日の風
朝目が覚めると、何だか頭が軽かった。年内の仕事も粗方片付いてコージん所で呑んでた筈なのに何かがオカシイ。
「働き過ぎで酒もまわんなくなったか…?」
きっと頭が寝ぼけているだけだろうと、取り敢えず顔を洗う事にした。
何かが違う…
「ん?」
見慣れないがよく見知った奴と目が合う。自分と全く同じ動きをする子供…
「ちょっと待てーー!!」
…鏡の中に居たのは俺じゃなかった。正確に言えば今の俺じゃなく、素晴らしく可愛い昔の俺。
ガタン
「…おめ、コージん部屋で何してんだ?」
「…ミヤギか?」
「そうだども、おめは?」
「シンタロー。」
「何言ってんだ、シンタローなら…」
恐らく状況の理解出来ていない同僚に鏡を見せてやる事にした。
「な…なんだべこりゃ!!」
予想を裏切らない、朝一ににつかわしくない大声をあげてくれた。
「なしてオラが子供になってんだ!?シンタロー、オラになんかしたんでねぇべな?」
「俺がやったなら鏡の前でフリーズするかよ!それに、どうせやるなら自分以外に盛るに決まってんだろうが!」
「言われてみるとそうだべな…」
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