■□NOVEL□■

□上官のすゝめ
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上官のすゝめ



「…わてに話っちゅうのは何どすの?」

「お前、身体はもう平気なんだよな?」

「へぇ、お陰様で。」



あの島で一番の重傷者であるコイツに、今押し付けるのは流石に気が引ける…



「今後の配属についてなんだけどよ…」

「あぁ、人事異動があるて聞きましたなぁ。」

「幾つか、総帥直属の新しい部隊を編成するんだよ…」

「直属どすか?まぁ、気ぃの置けるもんをすぐ下に置いといたら、今の独裁者的な印象も少ぅしやけど薄れるし、改革の第一歩としては十分とちゃいます?」



ココまで言って分かんねえとか、ホント馬鹿な奴。態々お前に話してる意味くらい考えろよな!



「…シンタローはん?其れがどないしましたん?」

「…お前、隊長やってくんねぇ?」

「はいぃ!?」



恐らく、この男が簡単には承諾しないであろう事は百も承知。モノになるどころか、コイツが引き受けてくれるかも含めて賭けだ。



「い、嫌どすなぁ、シンタローはんたら。からかわんといておくれやす。」

「別にからかった訳じゃねぇけど。」

「それって…」

「俺はお前にも、総帥直属として隊長を任したいって言ってんだよ!」

「な゙っ…」



やっぱり固まりやがったか…。大体今流れで感付くぐれぇ出来んだろうが。



「て、てんご言わんといておくれやす!大体なしてわてが面子に入っとるんどすか?何もわてに言わんでも他に適任は居りますやろ!?」

「俺の直属部隊の隊長に選んだのは、ミヤギ、トットリ、コージ。その中にお前も加わって貰いたいと思ってる。」

「………」

「あの島での事も含めて、今まで見てきた団員の中で、信頼して側に置いとけんのはお前達くらいだから…。

お前らに俺の直属として働いて貰いたいと思ってる!」

「シンタローはん…」



親父の跡を継いだとはいえ、周りの団員からの反感や批判の声が上がる中、背中を委せられる奴なんか数える程度。グンマやキンタローは研究に専念さしてやりたい。その中でも戦闘力にしろ優秀さにしろ直属として隊長格に据えられる奴はコイツらだけだろう。



「ミヤギにトットリ、コージには話しはついてる、後はお前だけだ。此れは総帥としての命令じゃねぇ。

ただの我が侭だから、どうしてもってんなら断ってくれても構わねぇけど……」

「……けど?」

「お前にも力を貸して欲しい!」






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